周知の通り、猪瀬氏は徳洲会から受け取った5000万円の受領で火だるま状態。12月19日に辞任を発表したが、市民団体からの告発状を受理した東京地検特捜部が、政界における「徳洲会マネー」の摘発に本腰を入れだしたのである。
政治部記者がこう語る。
「実は、特捜部は受領疑惑の噴出時から、徳洲会マネーに群がった政治家の摘発を模索。突破口に猪瀬逮捕を目論んでいたが、現役知事の逮捕はあまりにハードルが高かった。ところが、その障害がなくなり、『猪瀬と裏金を受け取った汚職政治家を上げろ!』との指示が飛び始めているのです」
一説には、政界にバラ撒かれた徳洲会マネーは20億とも30億円ともいわれているが、東京地検はここにきて猪瀬氏辞任の発端となった徳洲会の「選挙違反事件」に再注目。
摘発の端緒となった徳洲会グループ元事務総長のメモをベースに、捜査を進めているという。
だが、気になるのはそのターゲットに、どんな政治家が上がっているのかという点だろう。
地検の担当記者が言う。
「猪瀬同様、筆頭と見なされているのは九州の県知事です。同氏は徳洲会から徹底した選挙支援を受けており、同会が望んだドクターヘリの運航にも便宜を図った疑惑がある。また、厚生行政に睨みが効くA国会議員は、長年徳洲会のために奔走してきた人物で、特捜部は金が渡った形跡を調べ上げているのです」
一方、'12年の総選挙で猪瀬氏同様、徳洲会から5000万円もの金を借りた疑惑が浮上しているB衆院議員も標的になっているという。さらに東京地検が狙っているのが、'03年に石原都知事が開業した『新銀行東京』絡みの案件なのだ。
「同銀行は、過去に徳洲会への莫大な不正融資が騒がれたが、多くの都議や国会議員がその口利きをしていた疑惑がある。このリストが今回の裏金と結びつくか、地検は精査しているのです」(同)
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