「この計画の存在を証言したのは脱北した北朝鮮人民軍の元幹部だが、当時は4人一組80チーム(320名)が特殊潜水艦や潜水艇で日本に上陸。福井や新潟にある原発を狙い、自爆テロを仕掛ける計画だった。実際、件の元幹部によれば、北朝鮮軍は毎年のように日本海沿岸で訓練を重ねていたらしく、官邸や防衛省筋に激震が走っているのです」
自爆テロに使われる爆弾は、小さい家なら吹き飛ばすほどの威力を持つTNT火薬。これを体に巻きつけた複数の自爆志願兵が、原発の炉心部近くで爆発させるおぞましい計画だったのである。だが、なぜ日本の原発が狙われたのか−−。
「北朝鮮は金正日時代から韓国への侵攻を目論んでいたが、その際に韓国と同盟を結ぶ米国が最大の脅威になると見ていた。このため、対南侵攻時には米軍の補給基地となる日本の原発を爆破。放射性物質を拡散させ、在日米軍を混乱に陥れようとしていたのです」(前同)
つまり、韓国侵略時に起きる米国のカウンター攻撃をかわすために、日本への自爆テロが計画されたわけだが、実はこれらは氷山の一角。北朝鮮関係者らへの取材によれば、その後にはさらに衝撃的な『日本殲滅作戦』が策定されていたというのだ。元北朝鮮人民軍関係者がこう話す。
「日本の原発への自爆テロ計画は確かにあった。だが、これは兵器の開発が足踏み状態だった時代の話。そのため21世紀を迎えると、『有事のときには日本を焦土化しろ!』との将軍様(=故金正日総書記)の命令で、さらに恐ろしい作戦が次々と計画されたのです」
この関係者によれば、その最たるものが『ミサイルテロ』だという。ご存じの通り、北朝鮮はノドン1号(射程距離1300キロ)やテポドン1号(同3000キロ)、さらには中距離弾道ミサイルのムスダン(同3200キロ)、大陸間弾道ミサイルのテポドン2号(同1万3000キロ)などを保有しているが、核弾頭などをこれらに装てん。発射する計画が企てられていたのだ。
「北朝鮮は250基のノドン1号を所有。現在もその多くが日本や韓国に向けられているが、計画ではこのノドンやムスダンの弾頭に核やサリン、細菌兵器を詰め込み、福井県の敦賀原発や新潟県の柏崎原発、横田基地や横須賀の米軍基地、東京などに撃ち込もうとしていたのです。計画の裏には、もちろん、核の小型化とミサイル精度の飛躍的進歩があった。これが原因で人民軍の上層部には日本人をいつでも皆殺しにできるとの認識と驕りが広がっていったのです」(前同)
ちなみに、北朝鮮人民軍は当時から日本側の迎撃体制をも熟知していたという。ミサイルが発射された際には、自衛隊のイージス艦に搭載されたSM3ミサイルと地対空誘導弾PAC3が二重の迎撃体制を取る。そこで北朝鮮軍はミサイルの被弾率を上げるために、さらに恐ろしい“第二の作戦”を案出していたのだ。