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映画『Ricky リッキー』に見る、フランス式再婚家庭のあり方。

 1967年11月15日、フランス・パリ生まれの鬼才、フランソワ・オゾン監督の映画『Ricky リッキー』(11/27(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開)。一人娘を育てながら工場で働くシングルマザーにある日訪れた人生の転機を描く。再婚を機に新しい他人と暮らす難しさや、子育ての苦労は世界共通。勝手な理由でくっついたり離れたりする親を尻目に、羽の生えた赤ちゃんのRicky(リッキー)と8才の少女・リザの強いまなざしが印象的だ。

 同じ工場で働くスペイン人の工員パコ(セルジオ・ロペス)と熱烈な恋に落ち、再婚したカティ(アレクサンドラ・ラミー)。やがて二人の愛の結晶としてリッキー(アルチュール・ペイレ)が授かるが、昼夜を問わない彼の世話をめぐり二人は対立し、パコは家を出てしまう。カティの連れ子リザ(メリュジーヌ・マヤンス)は弟リッキーの面倒をみる事なるが、ある日リッキーの特別な能力に驚く…。

 決して裕福ではない生活を送る家族のもとにやってきた神様のいたずら、不思議な赤ん坊のリッキーに、一攫千金の夢や濃すぎる愛情を注ぐ母。新しい父にとまどい、弟に夢中になる母をクール見つめる少女リザ。素朴で不器用な父親のパコ。ハリウッド映画であれば思いっきりファンタジックでファミリー向けにつくられる題材を、あえて濃厚な男女の絡みやグロテスクなリッキーの羽で現実味を与え、あと一歩手前にある幸せに気づかず、右往左往する家族の姿をしっとり丹念に描く。人生の苦味を曝すところがフランス式。というか、それがオゾン監督の手腕。癒しと再生のラストはいつまでも心に残る。

『Ricky リッキー』
監督:フランソワ・オゾン 
出演:アレクサンドラ・ラミー、セルジオ・ロペス 他
11/27(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
配給:アルシネテラン
公式HP  http://www.alcine-terran.com/ricky/
(C)Eurowide Film Production – 2008 – Tous droits réservés

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