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野新家三人衆、ユニクロ柳井社長、楽天三木谷社長、ソフトバンク孫社長 今年の不吉な命運

 カジュアル衣料品『ユニクロ』を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、新年早々“踏み絵”を迫られそうだ。

 今年2月で65歳になる柳井氏は、かねて「65歳での社長引退」を公言してきたが、昨年秋にアッサリ撤回、陣頭指揮を執り続けると表明した。2013年8月期で連結売上高が初めて1兆円の大台に達したとはいえ、海外展開が遅れていることから「2020年の売上高5兆円」の目標達成には程遠く、「残念ながら社長を続けなければならない」と“居直った”のである。
 「もうひとつ、彼は以前から『世襲はしない』と公言してきた。しかし御曹司2人は大株主で執行役員に名を連ねる。彼らを差し置いて社内から大抜擢するとは考えられず、これも撤回するのは時間の問題でしょう」(経済記者)

 何せ柳井氏は後継者に選んだ玉塚元一氏(現・ローソンCOO)を'05年に更迭し、自ら社長を兼務。その後も後継者の有力候補に次々と逃げられた過去を持つ。「世の中は俺が中心、のシャシャリ出癖が際立つ」(関係者)ためで、だから赤の他人よりは息子を−と考えたとしても不思議ではない。
 「彼は米経済誌『フォーブス』の長者ランキングで資産1兆2368億円('13年)と日本人トップだった。世間にどう陰口されようと、これを死守するためならば手段を問わないでしょう」(ユニクロウオッチャー)

 2月の誕生日を機に北朝鮮の向こうを張った堂々の世襲人事を断行するようだと、市場からユニクロ離れが急加速しかねない。売上高5兆円構想にしても「大風呂敷」と眉唾視する向きが多かっただけに、どうするか見ものである。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長の言動も依然、目が離せない。
 昨年暮れにはメジャー挑戦希望を表明した楽天球団の田中将大投手の移籍をめぐり、「新しいポスティングシステムで入札額が20億円に大幅目減りしたことで引き止め工作を展開した」と非難を浴びた。最終的にはGOサインを出したとはいえ、世間の目には「ソロバン計算に長けた人物」と映った。
 「彼は去年の2月から7月にかけ、保有する楽天株の一部を小刻みにして連日市場で売却、100億円超の利ざやを稼いだ。信託銀行とタッグを組んだ合法的なマネー錬金術ですが、貪欲というのか、金に対する嗅覚と執着心はハンパじゃありません」(市場関係者)

 その通りとでも言うべきか、三木谷社長は前述した『フォーブス』では日本人第3位の金満家で、'13年の資産総額は5200億円だった。そして、金儲けに負けず劣らずご執心なのが大物財界人として存在感をアピールすること。昨年11月には医薬品のネット販売に一部規制を残す政府方針に反発し、産業競争力会議の民間議員を辞任するとケツを捲った。

 ところが安倍首相と面会し、「規制改革を進めていきたいので会議を通じて貢献してほしい」と慰留されると簡単に矛を収めた。この間、わずか10日あまり。楽天球団の日本一セールで価格表示をめぐるトラブルが発生したことも、「三木谷社長の天狗の鼻をへし折ることにつながった」と関係者は打ち明ける。
 「彼は経団連に対抗してベンチャービジネスのトップで構成する新経済連盟を結成、代表理事を務めている。安倍首相との蜜月関係が際立つため『本人はすっかり“政商”気分じゃないのか』と陰口されています」(関係者)

 民主党政権下で、その“政商”の異名をとったのが、プロ野球では楽天とライバル関係にあるソフトバンクの孫正義社長である。
 こちらは米『フォーブス』のランキングで日本の経営トップとしては2位の8000億円('13年)。前年の5760億円から2240億円も資産を増やしている。資産額算出は前年をベースにしていることを考慮すると、当時の民主党政権下での大躍進で、これぞ政商の面目躍如でしかない。

 その孫社長は米携帯電話3位のスプリントを買収。次いで4位のTモバイルUS買収に意欲を燃やしている。しかし大型投資を繰り返してきた結果、ソフトバンクの有利子負債は9兆円に迫り、既にジャンク債の烙印を押されている。そんな状況での2兆円とされるTモバイル買収は、同社にとって「危険な賭け」(アナリスト)でしかない。
 「韓国の国民銀行東京支店で巨額の不正融資が発覚し、韓国の金融当局と日本の金融庁が昨年末に追加検査に着手した。大型スキャンダルに発展するとの怪情報さえ飛び交っており、一部にはソフトバンクへの波及を危惧する声さえ聞かれます」(金融情報筋)

 この数年、何かと派手な話題を提供してきた“野心家三人衆”に、今年はどんな吉凶が待っていることやら…。

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