「短絡的にあっちゃん(前田敦子)カワイイよねとか、まゆゆ(渡辺麻友)が好きとか言うのはいいんですけど、もっと深い話をしたいんですよね。僕ら古参の人間は、イベントでの作法とか、ライブでの連帯感とか…。ただ、今は新規のファンに押されて肩身の狭い思いをすることが多いです。中高生のファンには煙たがられているかもしれません」と語るのは2005年からの古参ファンであるA氏。ちなみに今回のシングル『ポニーテールとシュシュ』は9枚購入したとの事。劇場盤、通常盤AとB各3枚購入。アイドルヲタとしては普通の消費量か…。
A氏は続ける。「モーニング娘。に幻想を抱けなくなった後に現れたのがAKB48。秋元康プロデュースとしてチェキッ娘の失敗がアイドルヲタの間では根強くの残っていたので、今度は何とか支えなくちゃと必死に劇場に通いましたよ。しかし、人気が出てからの虚無感はなんなのでしょうか…。モー娘に失望を感じた時もこんなんでした。最近AKBヲタの中にはハロープロジェクトの新グループ『スマイレージ』に魅力を感じてきている人も多いと聞きます。ここ10年以上僕らは秋元さんとつんく♂さんの間を行ったり来たりですね」
多くを語ってくれたA氏だが、彼の“微妙な心理”を理解できる方は多くはないかもしれない。正直、コアなアイドルオタクというわけではない筆者も話を聞いているだけでは、A氏の気持ちを完全に理解することは難しかった。しかし、理解できないからといって彼らを敬遠するのは“終わりの始まり”とアイドルライターは語る。「古くから存在するファンと新規ファンは車の両輪。どちらかを雑に扱いはじめると、アイドルに先はないでしょう。AKB48の本当の勝負はここからでしょう。古参も新規も全て飲み込むほどのキャパシティーを持つことができるかどうか…」
今後の秋元康氏の舵取りが注目だ。(斎藤雅道)