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面白過ぎて泣いてしまう!? そんな邦画シリーズが存在していた!!

 9月3日(金)の深夜、東京・新宿バルト9の大スクリーンで、1995年公開の怪獣映画『ガメラ大怪獣空中決戦』と、その続編である『ガメラ2 レギオン襲来』が上映されました。
 今、映画ファンの間で非常に大きな話題となっている「ドリパス」というサイトでは、「新宿バルト9で上映してほしい映画」「もう一度、映画館のスクリーンで見たい映画」の募集がtwitter上で呼びかけられ、そこで多くタイトルが挙がった作品が、新宿バルト9の上映企画のクーポンとして提案され、購入希望者が予定数まで集まった時点で、企画の実行とクーポン販売が決まるという試みが行われていたのです。
 この「ドリパス」により、最初に新宿バルト9で上映されたのが、世界中で絶賛され、大ヒットした『ダークナイト』。そしてその次に上映されたのが、この『ガメラ大怪獣空中決戦』と『ガメラ2 レギオン襲来』だったのです。

 10年以上も前に公開された怪獣映画がなぜ、今でもそんなに支持されているんだろう? と、疑問に思われる方もいるかも知れません。
 ですが、この『ガメラ大怪獣空中決戦』と『ガメラ2 レギオン襲来』。そして今回の企画では上映されませんでしたが、この2作品に『ガメラIII 邪神覚醒』を合わせた平成ガメラ3部作は、怪獣映画ファン、そして多くの邦画ファンにとっても、いまや伝説の作品として語られる名作なのです。

 怪獣映画は日本独自の文化ともいえるようなジャンルですが、その一方で「所詮、怪獣映画なんて子供が見るものでしょ?」「ゴジラとか、ガメラとか馬鹿馬鹿しいわ」。…そんなふうに思う方も多いのは事実です。ジュラシックパークは観てもゴジラは観ない。スパイダーマンはいいけど仮面ライダーは嫌。そういった感覚を大多数の日本人が持っていることは間違いありません。
 日本最古の映画雑誌である『キネマ旬報』が1926年から毎年行っている「キネマ旬報ベストテン 邦画部門」で、怪獣映画が選ばれたことは1995年までは一度もありませんでした。あの黒澤明が選んだ「世界の映画100本」の中にも入っている昭和29年公開の『ゴジラ』(監督・本多猪四郎)ですら完全無視という有様です。
 それだけ「怪獣映画などまともに観るものではない」という偏見は強くあったのでしょう。悲しいことに、その偏見は今でも多くの日本人が持ったままなのですが、しかし、先ほども言いましたように、怪獣映画がキネマ旬報ベストテンに選ばれたことが一度もなかったのは、1995年までのことだったのです。
 より正確に言うのならば、80年以上続くこのベストテンで怪獣映画が選ばれたことは、この1995年のベストテンのみだったのですが…。

 そうです! 1995年公開の『ガメラ大怪獣空中決戦』こそ、キネマ旬報ベストテンにも選ばれたことがある現在のところ、唯一の怪獣映画なのです。
 怪獣映画を評価するようなことなどまず無かった人たちまでも「面白い!」と認めざるを得ないようなパワーが、この平成ガメラ3部作にはあったのです。
 私もリアルタイムで平成ガメラ3部作を見て、そのあまりの面白さに衝撃を受けた一人です。
 今回、久々にスクリーンで『ガメラ大怪獣空中決戦』を鑑賞した後、休憩中にトイレヘ行っておこうと席を立ったら、一人の女性が涙を流し、号泣している姿が見えました。
 平成ガメラは非常に面白い映画ですが、いわゆる今流行りの「泣ける映画」のようなタイプの作品ではありません。
 気になって「どうされたんですか?」と、その女性の方に聞いてみたら、「私、初めて、この映画を観たんですけど、こんなに凄い映画だなんて思ってもいなくて…もう自然に涙が流れちゃって止まらないんですよ!」と答えてくれました。
 あまりの面白さに、その衝撃に、涙まで流してしまう映画。
 平成ガメラ3部作は、怪獣映画のことなんてよく知らない、怪獣映画なんてくだらない。…そんなことを思っている人にこそ、見てほしい本物の娯楽映画です。できればスクリーンでの鑑賞をお勧めしたいところなのですが、それが無理そうなら、是非DVDでご覧になってみてください。
 …あなたも、面白過ぎて涙を流すことになるかもしれませんよ。

(「作家・歩く雑誌」中沢健 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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