この日行われた自民党合同会議には、ノアの仲田龍統括本部長、新日本の菅林直樹社長、全日本の武藤敬司社長らが出席。衆議院議員の馳浩文部科学部会長、調査会長の渡海紀三朗元文科相、日本プロスポーツ協会会長の森喜朗元首相などから、13日のノア広島大会で起こった三沢さんの事故死について事情聴取が行われた。
同会議は、当初30分の予定が長引いて45分ほど行われた。国会議員から「あんな危ないことをやっていて、いつか事故が起きると思っていた」「検証をしっかりして欲しい。再発防止に向けて、二度とこのような事故が起きないようにしてほしい」などと、指摘された。その上で「最低限のルール作りをすべき」と、日本ボクシングコミッションを例に出し指導されたという。
だが、この3団体はかねてよりライセンス制度導入に向けて、水面下で2度ほどフロント陣が会合を開いている。7月中には発行の見通しが立っていた。
それだけに「早急に(統一)協会を作るという目標にシフトしていきたい」(仲田本部長)とライセンス発行後の最優先課題として、コミッションの設立を掲げた。
武藤社長も「頑張ってトライしていくのがプロレスのためだと思う」菅林社長も「全面的に協力していきたい」とそれぞれ合意を表明。足並みがようやく揃った。
近日中にも3度目の会合を開き、協会設立に向けて動き始める予定だが、現在、日本マット界には数多の団体が存在している。まずは3団体で組織の基礎を作り上げて、その輪を広げていくという。
馳氏が、今後の青写真として「その中で団体の合併連衡があるかもしれないし、興行会社が新たに独立するかもしれない」と語るように、協会設立により業界再編は避けられないだろう。
それでも「(プロレスをメジャーにするというのは)三沢の遺志もあると思いますので、一日も早く作りたい」(仲田本部長)と初志貫徹の決意を示した。
プロレス界に大きなうねりが起きることは間違いなさそうだ。
◎K-1も協調路線
この日、自民党内で討議されたリング禍防止への安全対策について、谷川EPもK-1代表として、必要とあれば今後の会議に出席する意向があることを明かした。
K-1では大会前、出場選手全員にドクターチェックや血液検査、CT検査を義務付けており、試合当日はリングドクターを5人以上待機させるなど、万全の安全対策を敷いている。
しかし、「格闘技なので100%はあり得ない」と、過信をすることなく、今後もより一層、注意を促していく。