「今回の事件では、主犯格3人のうち、カミンスカスだけが“小山武”という偽名で、積水との契約現場にいた。当初は積水から10億円を騙し取る計画で、カミンスカスは報酬1億円を受け取る約束だったが、実際には50億以上の金を騙し取ることに成功。カミンスカスは、もう1人の主犯格・土井淑雄容疑者に報酬の増額を要求し、7億円を手にしているはずだ。いまだに取り調べでは『1億円しかもらっていない』と言い張り、容疑を否認しているがね」(捜査関係者)
カミンスカス容疑者は1959年、高知県南国市生まれ。旧姓は小山で、地元の高校を卒業後、上京した。
「本人は東京電機大に通っていたとか、右翼団体に所属していたとか、ゲームメーカーの税務コンサルタントでかなり稼いだとか言っていましたが、根っからの詐欺師ですから定かではありません」(不動産関係者)
はっきりしているのは、約10年前に摘発された不動産デベロッパー『ABCホーム』の脱税事件で、当時会長だった塩田大介氏と共に逮捕されていたという前科だ。カミンスカス容疑者は実刑判決を受けた後、土井容疑者が事務所を構えるビルに転がり込んだ。
「当時、このビルは詐欺師の巣窟だった。小山は文なしで、事務所に寝泊まりしていたよ。それが積水の事件以降、羽振りがよくなって、都内の高級マンションの部屋をいくつか購入。高級サウナに入ってから、錦糸町とか浅草の外国人パブで豪遊するようになったんだ」(土井容疑者の知人)
移送時のカミンスカス容疑者は、セレブ御用達の高級ブランド・クロムハーツのジャージを着用。スニーカーも若者の間で人気のブランド品だった。
「身柄拘束時、カミンスカスの所持金は数百万しかなかった。警視庁は、錦糸町のパブで見初めたフィリピン女に金を運ばせて現地で隠したと見て、捜査を進めています」(全国紙記者)
結婚歴は少なくとも3度あるという。最初は日本人で、2度目がフィリピン女性、3人目が錦糸町のインターナショナルクラブで働いていたリトアニア人のリタ・カミンスカスだという。カミンスカス操という名は3人目の妻からとった名前だったのだ。