他にめぼしい選手はいないのか? 10月13日に行われたゴルフ日本オープンの2日目、注目の石川遼(26)は、通算9オーバー97位タイで予選落ちした。出場資格を逃した米ツアーから一時撤退して臨んだ国内復帰戦だったが、グウの音も出ない惨敗だ。しかし、日本のゴルフ界の命運を託せるのは、そんな男しかいないようだ。
「石川が参戦していなかったら、閑古鳥が鳴いていたでしょう。平日で天気もよくなかったのに2000人以上のギャラリーが集まったのは、石川が参戦したからです。決勝まで残っていれば2万人近くが集まっていたと思われます」(スポーツ紙記者)
今さらだが、国内の男子ツアーはジリ貧状態だ。テレビ視聴率は'09年こそ16%台を記録したが、その後は下降するばかり。理由は“スター不在”。好成績を収めた日本人選手はすぐ海外ツアーに参戦するからだ。
“世界の松山英樹”が勝利した昨年でさえ、視聴率は2ケタ台に届かず、おまけに松山のほぼ独走だったため、ツアーそのものの面白味もなかった。
「人気回復の打開策ですが、“腐っても鯛”で主催者は石川に期待していました。米ツアーでは散々でしたが、『日本で復調のきっかけを掴んでくれれば』の声も聞かれた。しかし、予選落ちしたとはいえ、関係者は石川の人気を再認識している。ギャラリーの一番の関心は石川でしたからね」(専門誌記者)
また、他の国内ツアーにおいて、石川の弟・航(18)がスポンサー推薦で出場する大会も見られた。まだアマチュアで、将来の有望株。話題作りが先行しているが、それも“石川の弟”というブランドが根底にあっての推薦出場だったわけだ。
「石川は米ツアーにしがみつくような発言もしていますが、国内で予選落ちするようでは、とてもじゃないが海外下部ツアーでも厳しい。日本の主催者が応援してくれるのであれば、国内で出直しするのも悪くないはずです」(同)
石川の双肩に国内ツアーの命運が託される。同年齢のライバルとの実力差は開く一方だが…。
それにしても、その昔、「ハンカチ王子」と呼ばれた日ハム・斎藤佑樹投手もいま一つパッとしない。石川遼も当時「ハニカミ王子」ともてはやされた。その結果が今現在の姿だ。「…王子」と呼ぶことはこれからタブーとされるかも…。2人の共通点が妙に気にかかる。