「本田の状態を最も熟知するのは、同じピッチで戦う選手たち。ヤツの動きを見て、とてもじゃないがこの男に託すようでは厳しいと見切ったのです。新天地ACミランでは右サイドでプレーさせられ、最終合宿の当初こそ“日本代表の定位置(トップ下)での勘が鈍っているのだろう”とはばかっていた選手たちも、次第に猜疑心を募らせた。にもかかわらず、ザッケローニ監督は完全にスルー。今回のW杯を最後に日本代表監督を退き、イタリアで再就職するザッケローニは、自身の名声を傷つけたくない思いからグループ予選で敗退した場合に備え、本田をスケープゴートにしようとしているのです。そうはさせじとばかり、選手たちが協会首脳にテコ入れを求めたのです」(ザックジャパン担当のスポーツ紙記者)
そんな折、突如として発覚したのが日刊スポーツ紙(6月2日付)の「本田が昨年12月に頸部(首の付け根)手術を受けていた」報道だった。確かに本田の首の喉仏下には手術痕がある。事情通によれば、本田は以前から甲状腺の機能障害の兆候があり、切除手術を受けたのだという。
このような重大機密がこの時期に記事化されるのは極めて異例。おそらくザックジャパンに危機感を抱くチーム関係者の誰かが、あえて取材陣にリーク。真実を暴露することでザッケローニ監督に翻意を促したのだろう。
「手術はバセドウ病の治療だったようです。この病気は喉にある甲状腺の機能低下が、脈拍や発汗の異常、イライラや不眠など、さまざまな症状を引き起こすといわれます。古傷の右膝と左足もセリエA終盤に無理をして痛めたようですし、こんな状態ではベストのパフォーマンスを発揮するのはとても無理。本人もそれはわかっているはずなのに『オレには根拠のない自信がある』などと訳のわからないことを言ってけむに巻いている。これまでなら主将の長谷部が『本田を代えるべきだ。これは選手たちの総意』とザッケローニ監督に直言していたのですが、自身が右膝の故障再発でリタイア寸前のため、それどころではなくなった。そこで長谷部は香川や長友ら他の海外組の意見も聞き、監督のお目付け役にと担ぎ出したのが、イタリア語も堪能なカズなのです」(元日本代表のサッカー解説者)
日本サッカー協会(JFA)は6月5日、元日本代表FWのキング・カズこと三浦知良(47)を、JFAアンバサダー(親善大使)としてブラジルW杯に派遣すると発表した。「W杯は自分の夢。何か一つでも関われたらと思っていたのでうれしい」と意気込むカズは12日に日本を出発し、20日に帰国する。
この間に14日(日本時間15日)のコートジボワール戦を視察し、17日にはサンパウロで戦没者慰霊式典などにも参加。かつて所属したサントスFC訪問も予定しているという。
「カズのブラジル派遣は4月ごろから在ブラジル日本大使館がJFAに要請していた。しかし、J2が開催中で横浜FCの許可が必要なのに加え、左足付け根を負傷してリハビリ中だったことから躊躇していたのです。そんな折、海外組から“緊急事態”を告げる電話があり、ブラジル行きを決めた。協会の説明では、カズは日本代表には同行せず合宿地も訪問しないとのことですが、ザッケローニへの意見は電話とメールで事足りる。試合はどこにいてもテレビで見ることができます。実際、カズが香川にブラジル行きをメールで伝えると、『気合いを入れて頑張ります』とすぐに返信を受けていました」(カズと親しい放送関係者)