酒井は'09年11月、覚せい剤取締法違反で懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決を受けた。執行猶予が切れるのが今年10月のため、日テレは酒井復帰の手助けをする計画。
この動きは、日テレが台湾テレビ局と合弁で設立した黒剣テレビの経営戦略と関係している。黒剣テレビは昨年3月、日テレと中天電視(台湾ケーブルテレビ局)の合弁会社として設立された。クール・ジャパン推進でアジア向けに優れたコンテンツを送り出すのが狙い。
心臓部となる黒剣テレビを軌道に乗せるため、日テレはあの手、この手を尽くす。第一弾ドラマとして、日本やアジアでクリーンヒットした酒井の出世作『星の金貨』('95年放送)のリメーク版を企画し、正式に決めたのだ。
同ドラマは『白色之恋』というタイトルで今年2月なかばに北海道でクランクイン、約1カ月間ロケが行われた。その後は台湾でも撮影され、6月に完成予定。7月からは台湾で放送される。その後、中国、香港などでも放送されるが、そのPR役として酒井を起用するという。
「酒井は'11年4月に、薬物撲滅キャンペーンのため中国に招かれた。アジアに限っていえば、いまだに好イメージで影響力もあるのが起用の理由。放送前後に台湾や中国など現地に派遣するスケジュールも検討されている」(番組関係者)
日本では、BS日テレが秋口から暮れにかけて『白色之恋』を放送する予定。このドラマを盛り上げるため、直前に同じくBS日テレで『星の金貨』を再放送し、酒井をBSから“画面復帰”させる計画もある。
だが、国内では酒井に対していまだに拒絶アレルギーが強い。PR役が逆にマイナス要因になる可能性も。
日テレの賭けは吉と出るか、凶と出るか。
(編集長・黒川誠一)