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民放5局共同運営の見逃し番組無料配信サービス「TVer」は普及するか?

 在京民放キー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)が共同で運営する見逃し番組無料配信サービス「TVer(ティーバー)」が、さる10月26日にサービスを開始した。

 当面、各局週に10番組程度、全体で50番組程度が無料配信され、視聴期間は、番組終了後から1週間ほど。現状ではパソコン、スマートフォン(アプリのダウンロードが必要)での視聴が可能で、いずれタブレットでも見られるようになる予定。

 視聴者側としては、見たかった番組を見逃してしまい、予約録画もしてなかった際、自分の好きな時間に見ることができるメリットがある。

 運営側の民放5局にとっては、飛ばすことができないCM(PR動画)を挿入することで、新たな収入源が生まれ、動画サイトでの違法な番組配信への対抗手段となる点が利点だ。

 配信されているのは主にドラマやバラエティ番組で、日テレの「偽装の夫婦」「有吉反省会」、テレ朝の「遺産争族」「科捜研の女15」、TBSの「下町ロケット」「コウノドリ」、テレ東の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」「ゴッドタン」、フジの「オトナ女子」「無痛〜診える眼〜」などが、現在流されている。

 本来、ライバルである5局がタッグを組んだサービスだけに、もっと力を入れていいはずだが、正直、どの局も積極的にPRしているとはいいがたく、このサービス開始を知らない視聴者も多いのでは?

 現実として、各局的には、「TVer」が普及すると、リアルタイム視聴における“視聴率”が低下する危険性をはらんでいる。視聴率が下がれば、スポンサー離れにつながりかねない。

 ネット上での「TVer」利用者の反応はというと、「番組数が少なすぎる」「CMがうざい」「アニメがないのが残念」「配信期間が短い」といった声が圧倒的だが、“無料”であるため、批判的な意見は少ないようだ。

 テレビ局側としては、「看板番組の無料配信はしたくない」との事情もあるだろう。確かに、配信番組がもっと増えれば、利用者数も比例して増えていくと思われるが、そこまで踏み込めないのが実情。

 「TVer」がどこまで普及するかは、現状では未知数。各局の力の入れ方にもよるだけに、まずは様子見するしかなさそうだ。

(坂本太郎)

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