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昼夜の気温差が蝕む脳梗塞も怖い「秋の冷え性」から身を守る(2)

 体が冷えると、「冷え」の部分で触れたように、冷房などで外から体を冷やし過ぎると血流や体温を調整する自律神経が上手く働かなくなり、眠れない、食欲が出ないなどの不調に陥りやすい。
 「夏バテは、胃腸などが弱い体質の人が掛かりやすいのですが、体力がある人でも秋バテになるんです」
 と村上氏。夏の間は乗り切れても、疲労の蓄積や朝晩の温度差の影響で、涼しくなるこの時季に調子を崩すのだという。

 この夏は気温が高かったうえ、節電ムードも薄れがちで、冷房の強い場所が多かった。
 「屋外と室内では、時に20℃近い温度差があり、自律神経に相当な負担がかかった。例年以上に不調を訴える人が多かったと思います。40代以上の人は、体調の調整が上手くいかないことが多く、とくに注意が必要です」(同)

 冷えの解消=秋バテ対策は、専門家などの説明である程度、ご理解できたと思う。それでは、具体的にどう予防したらいいのか。

 まず、何と言っても大事なのは、体を冷やし過ぎない事だ。朝晩の冷えは、予想以上に体にこたえることがあるため、寝具も毛布1枚に薄い掛け布団を用意するなどの工夫が必要だ。
 既に冷えによって体調を崩している人は、血の巡りを良くすることが大切だ。専門家は「まずお風呂がいいでしょう。38〜39度くらいの温度でゆっくり入浴する。熱い湯が好きな人は、初めはぬるめお湯に浸かり、その後追い炊きすればいい」と言う。

 冷えの影響は、自律神経の乱れが引き起こす体調不良のほかに、便秘もある。
 寝不足などにより、リラックスした時に働く副交感神経の活動が弱まった結果、腸の収縮活動は弱まり便が停滞しがち。腸の活動は夕食後、寝ている時にピークを迎える。睡眠時の腸の動きが活発になれば、便秘解消につながるが、涼しさや冷えを甘く見ず、しっかりした対策が必要だ。

 食べ物に含まれるビタミンは冷え性を改善する効果があるといわれる。
 栄養管理士・料理研究家の林康子氏にビタミンの含有量の多い食物を、次のように上げてもらった。

●ビタミンB1=糖質を燃やし身体を動かすエネルギーを生み、体熱を効果的に生み出すビタミン。…豚肉、マグロ、卵、ゴマ、ほうれん草、レバー、イワシ、焼き海苔など(これらにニンニクやニラなどと一緒に摂るとビタミンB1の吸収を助ける)。

●ビタミンE=血液をサラサラにする効果ある。血行を良くするための毛細血管を広げ、からだを温める。…イワシ、カボチャ、ほうれん草、タラコ(これらを油と一緒に摂ると吸収率が高まる)。

●鉄分=体内の体温を下げる事を防ぐ。血液中のヘモクロビンの成分でもあるため、身体中に酸素を送り、貧血や体力不足を改善できる。…レバー、イワシ、ほうれん草、カキ、海苔、豆腐など(ただし、お茶や紅茶は鉄の吸収を妨げるので注意が必要)。

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