フジは一旦は白紙になっていた木村主演のドラマ『HERO』の続編企画を正式採択し、7月期の月9ドラマでOAするという。二転三転した裏には、大人の事情が垣間見えるのだ。
「最初は、視聴率低迷に苦しむフジが昨年夏にジャニーズに提案したのが始まりだった。一度は断られたのですが、その後、TBSで放映された『安堂ロイド 〜A.I.knows LOVE?〜』が大コケして風向きが変わり、木村サイドが俄然、やる気になったんです」(関係者)
ところが、今年3月に放映されたスペシャルドラマ『宮本武蔵』(テレ朝)の微妙な視聴率結果に、今度はフジテレビが尻込みしてしまったという。
「『HERO2』の続編制作には、莫大な制作費が掛かるうえに、木村は自分の主演するドラマには思い入れが強く、色々な要求を出してくる。数年前のフジならいざ知らず、今はスポンサーが逃げ出しゴールデン&プライム帯のCM出稿料は日テレ、テレ朝以下になってしまった。要はリスクが大き過ぎるということです」(編成関係者)
結局、天下のジャニーズ事務所の前で言われるままの条件で『HERO2』の企画を飲まされたフジテレビ。気になる一本当たりの制作費の内訳を聞けば、同情の念を禁じえない。
「一話分ですが、木村のギャラを除き他の共演者やスタッフの人件費を含んだ込み込みの額が、約6000万円〜。木村はシーズン1の出演者を集めることにこだわっている。阿部寛や松たか子などをゲスト扱いしても、これだけの額になってしまいます。また、ニューヒロインに武井咲や大島優子の出演も内定し、最終的には一本7000万超えかもしれません」(制作会社関係者)
これら一話分に約350万円の木村のギャラが加わるというのだ。
「計8回の放送ですが、初回と最終回に2時間&3時間特番を編成するため、結局、計11回分に相当する。総制作費は約8億円。木村の月9ということでCMのスポットの売れ行きは好調ですが、1分あたり800万がいいところです」(事情通)
そんなフジが採算分岐点となる視聴率を弾きだしたが、なんと視聴率12〜13%台では大赤字だという。
「最低でも平均視聴率15%が必要。最終回視聴率で20%を優に超えないと、ウチも厳しいが、木村の俳優生命に赤信号が灯りますよ」(関係者)
いまや運命共同体となったフジとキムタク。再浮揚の可能性は果たしてあるのか。