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“指導”規定緩和が難しい野球界

 教員免許の取得、2年間の教務実績など、元プロ野球選手が「高校野球の監督になりたい」とする希望を遮断していた規定が、このほど解消された。プロアマのさらなる交流が期待されるが、現場からは辛らつな声も聞こえている。

 元プロ野球選手で、先の厳しい規定をクリアし、2003年から高校球児を指導していた大野久教諭(52=茨城・東洋大牛久高)は、今年の3月で監督を退任した。大野氏は'84年のドラフト会議で阪神に指名され、ダイエーホークスに移籍後、'91年に『盗塁王』のタイトルを獲得。'95年の現役引退後、中日コーチを経て大学に編入して教員免許を取得した苦労人である。

 大野氏はいみじくも、「高校野球は技術指導ではなく生活指導の場である」と語っていた。高校球児の中には、ひたすら甲子園を目指して練習に打ち込む子もいれば、楽しく野球をやりたいという子もいる。監督はチームとしての結果を出さなくてはならない一方、野球を通して子供たちの人間性を磨くという姿勢が求められるというわけだ。
 「生徒数が減っているので、公立、私立を問わず、部活動に費やす予算は増やせません。しかも、元プロ野球選手サイドはセカンドキャリアとして高校野球指導者を希望していますが、球児の大多数はプロの指導を理解できるレベルにない。指導機会があったとしても一時的なものでしょう」(スポーツ紙記者)

 高野連は規定緩和に積極的だったが、元プロ選手の現場指導を「斡旋する」とはひと言も言っていない。伝統校を中心とした派閥もあり、その構図に馴染めない新参者が弾き出される構図も容易に想像できる。
 規定が解消されても、元選手が大量採用されるのにはほど遠いようだ。

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