search
とじる
トップ > スポーツ > 緊急トレードか!? プロ野球 チェンと岩瀬の復調はいつ?(中日編)

緊急トレードか!? プロ野球 チェンと岩瀬の復調はいつ?(中日編)

 昨季は中盤から一気に調子を上げ、逆転優勝を飾ったが、今季もその展開を繰り返そうとしているのか…。端から見る限り、先発投手陣のやり繰りは苦しそうである。

 昨季も今季も主力選手が開幕に間に合わなかったことには変わりはないが、大きな違いは1つ。昨年は名手・井端弘和が3度も登録を抹消され、6月9日のスタメン出場以降は最終戦まで一軍を離れた。そんな苦境を救ったのは、4年目の堂上直倫だった。今季は野手ではなく、『投手の故障・離脱』が目立っている。開幕投手が『チームの顔』とすれば、今季はマキシモ・ネルソン(29)だった。サプライズの落合采配からすれば、再起後半に先発として4勝を挙げ、腹心・森繁和ヘッドコーチの秘蔵っ子ともなれば、当然の起用だったのかもしれない。

 このネルソンの活躍は落合博満監督(57)の“予定通り”だったとしても、チェン・ウェイン(25=13勝)、吉見一起(26=12勝)の出遅れは痛かった。11勝12敗1分けで交流戦に突入し、最初のカード『対千葉ロッテ』に連勝し、今季初の貯金「1」。左右の両エースを欠いた状態で“勝率5割前後”をキープできたのはさすが。山井大介(33)も一軍に合流した。チームが勢いづくのは必至だが、今シーズンは投手陣全体の大きな転換期となるかもしれない。
 まず、5月14日、ようやく今季初勝利を挙げたチェンだが、気掛かりな点がいくつかある。6回被安打3、無失点。150キロ強のストレートを封印し、「コントロール重視の技巧派ピッチング」だったのは、既報通り。ストレートの威力は左内転筋の痛みが和らげば簡単に復活するだろう。気になったのは、「技巧派ピッチング」ではなく、「投球モーション」である。チェンは前回の今季初登板で審判団から『2段モーション』の指摘を受けている。「右足が静止している」というのだ。投球フォームがおかしい…。14日の技巧派ピッチングは故障明けで大事を取った結果ではなく、故障のために『投球モーション』を崩してしまったからではないだろうか。

 リップサービスをしない落合監督は、僅差での勝利についてこうコメントしている。
 「こういうのが毎日続くんだろうな。まだだ」
 翌15日、吉見が先発。7回3分の1を投げたが、勝ち星には繋がらなかった。落合監督は「いいじゃん。120球投げられるって分かっただけで」と、やはり多くを語らなかった(吉見は121球)。吉見の粘投は評価していた。好調のネルソン、チェン、吉見が『3本柱』となるが、チェンと吉見が完全復活するにはもう少し時間が掛かるのではないだろうか。吉見には、本調子でなくても、試合を整える力がある。それは落合監督も認めている。つまり、先発投手が試合主導権を握ってくれれば、チームは自然と立ち直っていく。後半戦で巻き返せる。それまで、もう少しの辛抱だ−−。そんなふうに見ていたのではないだろうか。
 ネルソンが中4日で先発登板している。森ヘッドコーチは2人分の活躍をしているとし、ネルソン、チェン、吉見、再びネルソンという先発ローテーションを指して、「4本柱」とも称したが、一般論として、投球モーションを崩した投手が立ち直るのにはそれなりの時間も要する。チェンが本来のピッチングを取り戻せなければ、昨季のような連勝街道を突き進むことはできないのではないだろうか。

 また、守護神・岩瀬仁紀(36)が今1つ波に乗りきれていない。5月17日、岩瀬は3点リードで迎えた9回のマウンドに送られたが、「あわや逆転負け!?」という内容だった(2失点)。昨季終盤から浅尾拓也がクローザー役を託される試合も多かったが、中日も左の救援投手が多くない。先発陣も完全復調していない以上、救援投手に頼らざるを得ない。確実に計算できるリリーバーは1人でも多い方がいい。浅尾1人に重責を背負わす図式は良策ではないように思うが…。
 落合監督はトレードに積極的ではない。自分たちで育てた戦力を使うとしても、現時点では「ファームに成長著しい若手がいる」との情報は聞かれない。昨季終盤も阪神を僅差で振り切った。今年は先発、救援ともに中核投手の復調を待ちながらの「苦しい展開」となるだろう。(スポーツライター・飯山満)

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ