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【これじゃ売れない!】 ナゼか聴く気がしない、イケメン俳優の歌うマジCD。「藤木直人」

 古くは加山雄三や小林旭、ちょっと前は反町隆史(!)や織田裕二といった、役者としても歌手としても成功しているイケメン俳優は数知れず。彼らは自分の出演する映画やドラマ、(マツケンはリサイタル)の主題歌や挿入歌などを歌い、ファンの購買意欲に応えるためにレコードやCDを出してきた。芸能の仕事の一環として歌を歌うが、実際歌の役割は野球選手や相撲取りと同一、ファンサービスから始まっている。歌手から始まって俳優もこなす、矢沢永吉やトータス松本などの人たちとは反対の立場にあるアーティストと言っていいだろう。

 しかし、最近では歌がやりたくて仕方がなかったけど「たまたま顔が良かったから」俳優から売り出して人気が爆発、そのご褒美の様に「歌を歌わせてもらう」というタイプの「歌うイケメン俳優」が現れ出した。その代表格が福山雅治で、玉木宏と続き、美男代表の藤木直人もアルバムを何枚か出している。爽やかで男前なアルバム・ジャケットがいかにも女性ファンの心をくすぐるアイドルグッズみたいな役割をする藤木のCD。藤木は過去に、ドラマ「ギャルサー」でビミョウな歌とおかしな振り付け(パパイヤ鈴木かマエケンの)を披露していたが、昨年も松本清張ドラマでさらに突拍子も無いラテン調の曲を歌っていたので、彼の歌声を耳にした事がある人も多いだろう。お顔にピッタリの甘い声、ノリも良く、ぜんぜん耳ざわりじゃ無い。だけど藤木直人ファン以外はCD買ってまで聴きたいとは思わないだろう。

 音楽の上では、「美しすぎる顔」は時に残酷な現実を晒す。
 彼の歌を聴いていると、どうしても「ドラマで演技する爽やかな藤木」、「おしゃれイズムの藤木」など、爽やかすぎる藤木の笑顔が浮かんでしまい、せっかくかっこよくギターを弾いて歌っている姿も、ドラマや映画のワンシーンにしか見えない。たとえ藤木が槇原敬之と同じくらい音楽に情熱を傾けていたとしても、結局は福山雅治と同じで「ホントに作曲してるの〜?」とか疑われかねないのである。

 これからもドラマ撮影などの忙しいスケジュールを縫って「UKテイストのメロディックなギター・サウンドと歌」を繰り広げたいという藤木。彼の曲を聴いてもBGM程度にしか心を動かされなかった記者が言うのもなんだが、これから先、男性ファンなど通な音楽リスナーの心を掴みたいなら、さしあたり今日から何日もフロに入らず汚くなってみるとか、激太りしてみるのはどうだろう。前に時々やっていた無精ヒゲぐらいの汚し方じゃまだまだ「イケメン俳優が歌っている!」という枠から抜けられないんじゃないかと思う。(コアラみどり)

写真:アルバム・ジャケットの藤木直人はあまりにも爽やかな男前

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