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王と長嶋〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者〜(11)スーパースター長嶋をつくった食生活

 長嶋第1次政権の広島遠征の際に、長嶋監督が行くのは、高級ブティックのコーナーにある品の良い喫茶店。王さんの行きつけは、おいしいフレッシュジュースも飲める、女性客も多い若者向きの喫茶店。

 ON番記者が分かれている新聞社はいいが、1人の場合は朝から喫茶店のハシゴをすることになる。「喫茶店までONの好みは違っている。お互いの趣味がよく出ている」とON番記者は言うが、長嶋さんイコール高級店というのには実はちょっとしたワケもある。
 「オレは印旛沼の近くで育った千葉の田舎者だよ」と長嶋さんは自認している。「だからこそ高級店に憧れてスターになってから、そういう店にしか行かないのではないか」という、田舎者の成り上がり論を口にする数少ないアンチ長嶋派の球界関係者もいる。が、巨人監督を解任され、充電生活を送っているときに、こんな話を本人から聞いた。
 「ユニホームを脱いでから自由な時間ができたので、家族と食事に行けるようになった。ところが、すぐに娘たちから『もうお父さんとは行きたくない』とひじ鉄をくってしまったんだよ。『お父さんと行くと、どこでもサイン会になってしまい、家族団らんの食事ができない。楽しくないから、もう一緒に行かない』と言われてしまった」
 有名税だから仕方ないが、家族団らんの食事もままならない状況を避けるには、個室でゆっくりくつろげる高級店という選択肢になる一面もあるのだ。巨人関係者がこんな楽屋裏話を打ち明ける。

 「長嶋さんは横浜球場のラーメンが一番おいしいと言うんだよ」と。長嶋さんの中華好きは有名で横浜の中華街も大好きだ。そういう中華料理通の長嶋さんがごく普通の値段の横浜球場の関係者食堂にあるラーメンが最高だというのだ。長嶋さんイコール高級料理店というイメージとは違う楽屋裏話だろう。もっともその巨人関係者の本音は「監督の食通も当てにならない」というところにあったのだが。
 「ぜいたくな高級食材ばかり食べていたから、脳梗塞になったんだ」。こう決めつけた識者もいたが、これも長嶋さんの本当の食生活を知らないからだろう。1日1回は大好きなフカヒレ、アワビなど豪華な食材の食事をする。
 ユニホーム時代はそれを昼食にする。その代わりに、朝食はトースト、コーヒー、バナナ。ナイターの試合前にはウドン程度しか口にしない。試合後は食事しない。1日のカロリーを考えた食事を徹底していたから、中年太り、メタボとは無縁のスマートな永遠のスーパースター・長嶋茂雄でいられたのだ。
 酒豪の王VS下戸の長嶋というのもよく知られた対比だが、監督業に身を置いてから長嶋さんはアルコールを口にすることが珍しくなくなった。「たまには酒でも飲まないとやってられないでしょう。焼酎の雲海のお湯割が一番だね」とか、「バーで飲むときはブラディーマリーだよね」などとお酒のうんちくを傾けるようになったのだ。実際に、昼食時の中華を食べるときにも「水やお茶というわけにはいかないから、ビールを一杯くらい飲むか」といった調子でアルコールを飲むようになった。それでもすぐに顔は真っ赤になるから、お酒の方は1割打者からようやく2割打者に成長したといったところか。
 対して酒豪番付上位を自ら返上して、節酒しているのが王さんだ。飲めばいくらでも飲めるが、アルコール度の低いビール党に徹しているのだ。王さんの語る体験的お酒論と節酒方法を明かす。

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