元大リーグのスーパースターを待ち受けていたのはホロ苦い結末だった。
“韓流大巨人”チェ・ホンマンとの総合マット初戦。戦前は「満塁ホームランを打ってやるぜ!」と威勢の良い発言も飛び出していたものの、フタを開けてみれば、“空振り三振”のお寒い幕切れだった。
黒のロングタイツでバットを肩に抱えてド派手に入場するも、明らかにその表情は硬い。試合でも威勢がよかったのは、ゴングからものの30秒までだった。
軽快なステップを踏み、離れた距離から得意と豪語していたサイドキック。さらには飛び込んでのストレートパンチやボディーブローも繰り出し、ヒットアンドアウエー作戦に出たが、218センチの巨体はなかなか崩せない。45秒過ぎには「左のジャブでKOされそうになった」というホンマンの軽いジャブを顔面に食らってよろめいた。
さらに悪夢が続く。サイドキックを放った際にヒザを痛めて自爆。もはや万事休すだった。ここぞとばかりに突進してきたホンマンにあっさり押し倒され、馬乗り状態でマウントパンチを浴びてレフェリーストップ。「これから数週間トラウマで眠れない」というほどの敗戦ショックを受けた。
格闘家としてホロ苦いプロデビュー戦となったが、この先、DREAMに継続参戦するのか。カンセコによれば「試合はやってよかったと思っています。ただ今のところは、今後について何のプランも持っていません。ヒザを治してMMAを続けるのかどうか、DREAMから何かオファーが来たら受けるのかどうか、何も決まっていません」という。
今後については未定としたが、その舞台裏でささやかれているのが日本プロ野球界への復帰話だ。
カンセコ自身も日本でのプレーについて「自分はまだ野球の試合はできると思っています。ですが、そのためにはトレーニングの必要があると思います」と前向きで「ホンマン選手を相手に試合するよりは、野球をするほうがマシなのではないかと思っています」とまんざらでもないのだ。
「先日の大魔神との始球式でバッターボックスに立ったのも何かの伏線なのかも。そうすると球団は横浜じゃないですか」とは某テレビ関係者。日本でのMMAデビューは“空振り三振”に終わったカンセコだが、次に来日する際にはプロ野球選手としてやってくることになるのだろうか。