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渋谷淳の渾身のローブロー

 新チャンピオンの誕生は、いつだってそれなりに劇的なものだが、日本スーパーフェザー級の新王者は、近年にないドラマチックな試合展開の末に生まれた。横浜光ジムのサウスポー、三浦隆司のことだ。

 7月4日のタイトル戦は、王者の矢代義光(帝拳)が有利だと思われていた。三浦と矢代は1月に対戦してドローだったとはいえ、それは「矢代が腰を痛めていたからだ」という見方が大勢を占めていたからである。
 三浦は元来手数が少なく、見ていてイライラする場面が少なからずある。ところが、この試合では闘志をむきだしにして攻めた。結果、ダウンの応酬という壮絶な試合を制し、見事に勝利してみせたのだ。

 3度目の挑戦で日本タイトルを手にした三浦にとって、こんなうれしいことはないだろう。同時に横浜光ジムにとっても、この戴冠劇は非常に価値ある勝利だった。
 同ジムは、これまでに元WBA世界ライト級王者の畑山隆則、元WBA世界ミニマム級王者の新井田豊を輩出するなど、数年前までは国内で最も勢いのあるジムのひとつと言えた。
 しかし、昨年に関光徳会長が死去してから状況は暗転。新井田が世界戦に敗れてリングをあとにすると、今年に入って日本王者の木村登勇と石井一太郎も王座から陥落し、引退を決意した。同時期に日本タイトルに挑戦した3選手(三浦を含む)も、残念ながらベルトに手が届かなかった。いったん嫌な流れができると、なかなか止められないのが世の常である。「横浜光もしばらくは冬の時代か」。そんな空気が流れ始めた矢先の新王者誕生なのだから、関係者の喜びはひとしおであろう。
 チャンピオンがいるといないとでは、ジムの雰囲気や興行の活気がまったく違ってくる。下り坂を転げ落ちるかに見えた横浜光ジムが、再び勢いを取り戻しそうだ。

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