24日に千秋楽を迎えた大相撲初場所において、通算25回目(大鵬、千代の富士に続く歴代3位)の幕内最高優勝を決めながら、場所中に暴行騒ぎを起こしたとして、千秋楽翌日の25日に相撲協会から厳重注意を受けた朝青龍。まだこの時までは暴行とはいえ、相手が知人ということで、世間の反応はまだ「しょうがないなぁドルジは」と、やや寛容的であった。
ところが事態は、よりとんでもない方向に転がっていく。28日発売の『週刊新潮』の記事によって、当初「知人」(朝青龍の個人マネージャー)とされていた被害者が一般人男性で、しかも鼻骨骨折などで全治1か月の重傷を負っていたという事実が明るみになったのだ。29日現在、未だ相撲協会からの処分は決定していないが、「一般人に手を出した」ということで、世論は逆転。今や魔女狩りさながらに、大手マスコミを巻き込んで「朝青龍を辞めさせろ!」という大シュプレヒコールが全国で沸き起こっている状況である。
しかしこの被害者の男性、どうもただの「一般人」というワケではなさそうなのだ。
これまでに集まった情報によれば、この男性は六本木のクラブ経営者として、夜のクラブ界隈ではかなりの有力者として知られている。彼が芸能界や政界、そして裏社会にも顔の利く“夜のドン”といわれていることは、一部ですでに報道されている通りだが、実はこの人物、かつては元K-1プロデューサー・石井教義氏のカバン持ちを務めた過去も持ち、六本木クラブ人脈の常連だった俳優KのPRIDE参戦にも一枚噛むなど、格闘技界にも太いパイプを持っているのだ。
そうなると、朝青龍がこの人物を殴ったことにより、ひょっとすると相撲界、格闘技界の勢力分布図が大きく塗り変わることになるかもしれない。
大晦日興行『Dynamite!!』が辛うじて継続中とはいえ、ブームがすっかり過ぎ去り、未曾有の不況に悩む格闘技界。K-1も、昨年大晦日にカリスマ・魔裟斗が引退したことでスター不在に悩んでいる。
もしこの不祥事によって朝青龍が現役を追われ、力士廃業という最悪のケースを辿ることになったら、K-1に顔の利く“六本木のドン”にケガを負わせた“けじめ”のために、まさかまさかのK-1参戦…というのもあり得ない話ではない。
そう考えると、もしかしたら朝青龍はK-1が仕組んだ囮(おとり)にハメられたということか!? すべては、これから相撲協会が下す沙汰次第ではあるが…。