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巨人・阪神ベンチ裏緊急事態発生 広島カープが首位固めへ(2)

 7月に沖縄遠征が組まれているが、その対戦相手はやはりDeNAである。普段、プロ野球の公式戦が行われない地方球場にとって“巨人”のふた文字はまだまだ大きなブランド力を持っている。客の入りの悪いDeNA、ヤクルト戦での減収を補うためであり、両チームのだらしなさを見るに、地方行脚は仕方のないことなのかもしれない。
 「阪神も興行面で同じような難題を抱えています。巨人戦の次に客が入るのは“カープ女子”のいる広島戦です。昨年、阪神は試験的に沖縄県で興行を行い、地元のお客さんの反応やチケットの売れ行き状況を観察していました。阪神も地元に興行権を買ってもらう売り興行の経験があり、また、高額年俸の選手も少なくないので、客の少ない対戦カードがあるのは死活問題なのです」(前出・記者)

 5月2日、セ、パ両リーグは対戦カード(ホーム&ビジター)が一巡した時点での入場者数を発表した。1試合平均で、セは4.8%増の2万8089人。巨人は地方巡業の成果もあり、セ最多の4万1231人をマーク。片や快進撃が続く広島は、1試合平均2万2114人。こちらは前年比14.8%アップの大幅増となっている。
 「これはもう、地元広島県よりも多いとされる“カープ女子”のおかげでしょう。それが広島のロードゲームの集客アップにもつながり、広島との対戦ゲームを主催したチームの収益増にもなっています」(同・記者)

 広島ナインはたくましい。ロードで好勝負が続いているのも、炎天下の天然芝球場・マツダスタジアムで鍛えられたおかげだろう。一方、集客に関する数値を見る限り、地方巡業は続けていくべきとはいえ、前述した例のように深夜バスでの移動を余儀なくされる場合もある。故障を抱える選手の体をさらに疲れさせ、特にベテランはそれがボディーブローのように効いてくる。まして、巨人は空調設備も万全な室内の東京ドームで戦ってきた。その快適な環境で試合に専念できた分が移動ロスの伴う地方遠征に変われば、戦況に影響するのは必至だ。
 「阪神も藤浪が勝ったり負けたりで、昨季のような勢いがありません。先発の人員不足は相変わらずで、新人の岩崎が頑張っていますが、2試合続けて広島の大瀬良との新人対決に敗れたのは痛い」(同・記者)

 大瀬良が阪神の岩崎との投げ合いを制し、プロ初完投勝利を挙げた5月1日、取材陣はこの黄金ルーキーをたたえるカープ野村監督のもう一つの言動に驚いた。同日、4打数4安打と爆発した第5の外国人・ロサリオに、二軍降格を伝えたのだ。非情通告の理由は「故障のキラが復帰するから」だが、バリントン、ミコライオ、エルドレッドらにも緊張感を与えた。
 「野村監督は変わりました。去年までは投手、守備、打撃全てに口を挟まなければ気が済まなかった。でも、今年は担当コーチに任せており、信頼関係も良好です。対照的に阪神の和田監督は若手の信奉を集める掛布氏に遠慮しているのか、どうもスタッフとのコミュニケーションに苦労しているように感じますね」(同・記者)

 室内球場育ちの巨人、ロードに弱い阪神の自滅が、地方巡業にもビクともしないたくましい野村カープをさらに加速させる。

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