WHOは、砂糖が肥満や糖尿病など生活習慣病に繋がる原因となるとして、'02年に食物から取り込む熱量のうち砂糖の割合を10%以下に抑える目標を設定したが、新指針案では、これを5%以下とすることを求めたのだ。
「農林水産省によると、日本人1人当たりの砂糖消費は1日約45グラム。とすると、ほぼ半減させないと新指針案を満たせないことになる。例えば、砂糖25グラムは紅茶用スプーン6〜7杯になる計算。甘党にとってはかなり辛い目標数値です」(健康ライター)
管理栄養士が言う。
「一見、お菓子などに見えない加工食品にも、隠された糖分が含まれている。例えばケチャップ大さじ1杯には約4グラムの糖分が、炭酸ジュース1缶にも約40グラムの糖分が含まれているとされています」
そもそも、こんな指針が果たして守れるのだろうか。
世田谷井上病院の井上毅一理事長が説明する。
「当医院が出しているような管理栄養士の作った病院食はともかく、一般のサラリーマンが実践するとなるとなかなか難しい。どうしてもという人には、砂糖に代わる甘味があります。その一つ、ステビアは南アメリカ原産のキク科の多年草で、甘味料として使われてきた。成分であるステビオシドは砂糖の300倍の甘味度を持ち、ダイエットや糖尿病患者用メニューに使われています。ただ、費用の点で難がありますね」
ともあれ、摂取した砂糖を運動で燃やしてしまえば話は別。25グラムなんて勘弁という人は、万歩計をつけてせっせとウオーキングすること。これが最も効果的な克服法だ。