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脳卒中・心臓病・糖尿病まで引き起こす イライラムカムカの「怒り」は万病のもと(2)

 つまり、一度怒ると交感神経の末端から分泌されるアドレナリンが増える。このアドレナリンには血小板の働きを活発にして血液を固める作用があるため、血行が悪くなる血液がドロドロになるというダブルパンチとなる。これでは健康を保てる訳がない。
 「攻撃的で怒りっぽい性格が脳卒中などのリスクを高める要因になるのも、要はストレスを溜めやすい点が問題になる。脳卒中ばかりではなく、不整脈や狭心症といった心臓病の原因にもなります。また、しょっちゅう怒っていると全身の筋肉が硬直するので、頭痛、肩凝り、めまいなどの体調不良に陥ります。さらに、怒りが長引けば長引くほど“コルチゾール”というストレスに対抗するホルモンが分泌され、血糖値を上げて免疫力を下げてしまいます。糖尿病は無論ですが、ガンを発症することにもなる。“怒”は体にいいことが一つもありません」(東京社会医療研究センター・村上剛主任)

 では、こうした万病のもととなる“怒り”をどうコントロールしたらいいのか。答えは容易には見つからない。しかし、心理療法も研究する村上さんは、こんなアドバイスする。
 「怒りという感情は、人の感情の中でも激しいものです。瞬間的に湧き上がり一気に増幅して、自分ではコントロールできなくなってしまいますが、努力と心掛け次第で、ある程度コントロールできます」

 また、怒りの原因は、“相手のせい”“相手が悪い”と思い込む人がいるが、怒りの感情を大きく、持続してしまうのは、“自分のせい”でもあることに気付くべきだ。まずは、自分の怒りの感情に気付くこと。“自分は怒りを大きくしてしまうクセがある”と、自覚することが重要な要素になるという。“こういう時に”“こういう事(こういう言い方をされる)で”というように、己のクセが出やすい状況を自覚できれば、より気づきやすくなる。
 「怒りの感情を鎮める努力の方法として、一般的に言われるものに“深呼吸をする”“数字を数える”というものがある。そんな悠長なと思われるかも知れませんが、怒る前の立派な心得です。ぜひ試して習慣付けてください。揉め事や嫌味の言葉も“受け入れる”という気持ちの幅もできるし、そうなれば心が鎮まるようになると思います」(前出・村上氏)

 また、心理学を基に病気治療に携わる医療関係者はこう語っている。
 「こんなことを言うと誤解されるかもしれませんが、自分に甘くなってみるのも良い方法かもしれません。自分に厳しくしている人は、他人の事も厳しく見るし、許せないもの。なぜかと言えば、自分に課しているルールを他人に当てはめてしまうからです」

 例えば、仕事はできるだけスピーディーにする必要があると考えている人は、仕事が遅い人に対して、同じことを求めるためイライラを感じる。「堪忍は無事長久の基(もと)」は徳川家康の遺訓だが、つまり我慢すること、耐え忍ぶことは、自分の無事(安全)を長く保つ基になる。怒ること、怒りにかられた行動をとることは、敵を作ったり敵につけこまれ、結局、自らの立場を危うくすることに繋がる。怒りそのものを敵と思い怒りと戦うことが大事だ。
 この言葉は、そっくり健康を保つ上でも参考になるのではないだろうか。

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