11月14日の対ホンジュラス戦のテレビ視聴率は15.5%だが、18日のオーストラリア戦は13.6%まで落ち込んだ。視聴率が落ちれば、協賛スポンサーの出方も変わってくる。契約途中の企業は値下げを、新規参入を考えていた企業も二の足を踏むのは必至だ。
「Jリーグの試合は視聴率が稼げなくても、代表戦は高視聴率を稼げる、といわれてきました。サッカー協会が企業との強気な交渉を進めてきた根拠はここにありました」(専門誌記者)
勝利したにもかかわらず、13%台に落ち込んだ原因は裏番組で野球・侍ジャパンの中継があったせいもあるだろう。侍ジャパンのテレビ視聴率は6%台。野球中継が数字を稼げないのは今に始まった話ではなく、同日の第5戦は日本側の勝ち越し決定後の消化試合のようなもの。「サッカーよりも野球が見たい」というファンもいたかもしれないが、J関係者ががくぜんとさせられたのは、ホンジュラス戦の方。同日深夜、『男子テニスATPツアー・ファイナル準決勝』が放送され、平均視聴率15.2%をはじき出したのだ。錦織圭が世界1位のジョコビッチに挑み、惜敗した一戦である。
「深夜で15%台は異例の高視聴率です。瞬間視聴率で17%強を出しており、これまでサッカーが“売り”にしていた国際試合の緊張感、醍醐味を錦織に奪われてしまいました」(関係者)
アギーレ体制になり、代表メンバーも覇気がない。9月のウルグアイ戦も13.6%と伸び悩んだ。
「代表の新戦力は武藤嘉紀くらい。来年1月のアジア杯も、毎度おなじみの海外組、香川、本田、岡崎らに頼るでしょう」(前出・記者)
アギーレ体制になって集客数も6万人を割っている。幹部は平常心を装っているようだが、現場入りするスタッフの表情は暗い。
ファン離れ、スポンサー離れの現状−−。W杯の“惨敗メンバー”では、盛り返せるはずもないのだが…。