「電撃打ち切り会見はタモリがフジに叩きつけた三くだり半と言っていいかもしれない。最近のフジの番組制作姿勢に対し、タモリは前々から異議を唱え、視聴率偏重主義と節操のない演出をする番組スタッフと頻繁にぶつかっていたのです」(制作関係者)
事実、7月1日のOAでは一時的にタモリが番組からいなくなるボイコット事件まで起こしていた。
「タモリが消えたのは、オネエ系のイケメンを決める“オネメンコンテスト”のコーナー。最初はいたんですが、途中から消えてしまい最後まで出てこなかった。タモさんは番組の全コーナーで司会を務めているわけではないが、休暇や病欠以外などで出演しないのは番組開始以来一度もなかったんです。それをボイコットした。翌日も続けて番組途中から消えたためにテレビ界で話題になった」(他局編成幹部)
このタモリの抵抗の裏にあったのが、現場スタッフとのイザコザ。局プロデューサーやディレクターらが若手に入れ替わり、溝ができていたのだ。
「ダメ押しが4月に番組の総合演出が若手のホープといわれるS氏に代わったこと。彼が狙っていたのが40歳以上の主婦層。日テレの『ヒルナンデス!』の視聴者を奪い返そうとしていたんです。この演出に異を唱えたのがタモリだった。視聴率を意識しすぎると、番組本来の視聴者を失うと…。30年以上もやっているタモリには痛すぎるほどわかっていた。最後は自分の意見をまったく取り入れない若造の暴走に我慢ならかったようです」(制作関係者)
以来、タモリと総合演出の2人はことあるごとに対立していったという。
「最終的にはタモリの不満が溜まり8月に自ら降板を申し出た。これに慌てたのがフジテレビ。いずれはタモリの降板も止むなしと考えていたが、少なくともタイミングは今ではなかったのです」(番組事情通)
当然、フジ上層部の必死の慰留工作も始まったが、タモリと現場制作サイドの軋轢は予想以上に深刻。そんな矢先に起きたのが22日の発表だったのだ。
「タモリは周囲の反対を押し切り、昔から番組を作っている制作会社のスタッフに相談していた。もちろん、タモリと対立していた若いプロデューサー陣らは寝耳に水の話。何も聞かされていなかったようです。最後はタモリ流のやり方で自分の幕引きを図ったんです。もちろん、タモリはフジの一部上層部に筋を通し報告していた。しかし、まさか火曜日だとは思っていなかったようです。いずれにせよ、タモリは一番大切にしてきた視聴者に自分の口から伝えたいとして、あのような発表になったようです」(芸能プロ関係者)
「いまヤラセで打ち切りが濃厚の『ほこ×たて』問題がかなり根深いものになっているんです。以前、ねつ造不祥事を起こした『発掘!あるある大事典II』以上のスキャンダルになる雲行きです」(放送作家)
タモリに三くだり半を突き付けられた揚げ句、続いて発覚した深刻なヤラセ問題。“いいとも!”で終わりそうにない。