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天龍源一郎に見せた三冠王者・諏訪魔の男気! 9・29日天龍プロジェクト第4弾『NEVER SO』

 緊急事態だった。9月8日のリアルジャパン・後楽園ホール大会で古傷の膝を悪化させ、今大会を欠場せざるを得なくなってしまった天龍源一郎。看板のいない天龍プロジェクトを救ったのは、誰あろう現三冠ヘビー級王者である全日本プロレスの諏訪魔であった。トリプルメインイベント第3試合、天龍プロジェクト認定世界6人タッグ選手権試合の挑戦者チームとして結成された諏訪魔&嵐&石井智宏組。王者組である関本大介&高山善廣&後藤達俊組が入場する際、ベルトを持って一緒に入場したのはNOSAWA論外。館内からの大きな声援が巻き起こる中、諏訪魔の男気を見せ付けるような試合が始まった。

 先発したのはいきなりリーダー同士、諏訪魔と関本であった。両雄の対戦は未だかつて記憶にない。手四つの体勢からフィンガーロックでお互い押し込む。関本のトーキックを皮切りにショルダータックル合戦が始まる。これを制したのは三冠王者・諏訪魔。ド迫力のヘビー級戦士達が交わしたリング上での会話に館内は興奮のるつぼと化した。
 チーム・ゴールドのセコンドに就いたNOSAWAがリング外から諏訪魔を挑発する。気を取られた瞬間、王者チームは諏訪魔を場外に叩き落す。挑戦者組のセコンドに就いていた征矢も思わずエプロンに駆け上がる程、NOSAWAの挑発は度を越えていた。だがこれも王者組の策略。石井がローンバトルを強いられる結果となってしまう。
 串刺しラリアットからのブレーンバスターで高山を投げきった石井、諏訪魔に交代するとフライング・ショルダータックル。再度串刺しラリアットを叩き込んでフロント・スープレックス。帝王・高山の巨体がぶん回された。ジャーマンを狙った諏訪魔だったが、高山のフロントハイキックで反撃に遭う。そこからチーム・ゴールドの参謀役と言ってもいい後藤達俊がラリアットから得意のバックドロップ! フォールに入る後藤だが石井がカット。諏訪魔を引きずり起こした関本がホイップ、後藤のカウンターのラリアット。そして再びバックドロップを炸裂させる! 大ピンチに陥った諏訪魔だが何とか肩を上げていく。天龍が見つめている前で無様な姿は見せられない諏訪魔。
 ここから試合は荒れ模様に。セコンドに就いていたNOSAWAがリング外から諏訪魔の顔面をかきむしる。劣勢に立たされた挑戦者チームだが、流れを変えたのは後藤に決めた石井のブレーンバスター。諏訪魔がNOSAWAを場外にたたき出すと、嵐はボディースラムからフロッグ・スプラッシュ。連続攻撃を食らってダメージの大きい後藤に対し、諏訪魔は対角線をダッシュして叩き付けたラリアット! ガッチリと片エビ固めで押さえ込み、見事天龍の目の前で6人タッグのベルトを奪取してみせた。

 天龍からベルトを受け取った諏訪魔だが、「天龍さん! ここで初防衛戦をやらせて下さい!」とアピールする。対戦相手はセコンドとして目障りだったNOSAWA論外、そして関本大介&後藤達俊。『何が起こるかわからない』天龍プロジェクトのメイン後に行われたボーナストラック。奪取後数分で始まった新王者組の初防衛戦は、挑戦者組の奇襲から幕を上げた。

 NOSAWAが諏訪魔を挑発、チョップを打ち込んでくるよう言い放つが、一発の逆水平であえなくダウン。ショルダータックルで吹っ飛ばされると関本にタッチ。一発のエルボーから始まったラリー、諏訪魔がぐらつくと関本はロープに飛んでラリアット! 前の試合での借りを返した。捕まってしまった諏訪魔だが、関本のブレーンバスター狙いを逆に叩きつけて逆転。走りこんできた石井が関本にラリアットを狙う。かわされるがバックを取る石井、エルボーで振りほどいた関本がダッシュ。ロープの反動で攻撃を仕掛けようとするが逆に石井のパワースラム。ド迫力のチョップ合戦からラリアット合戦へ移行する両雄、打ち勝ったのは関本だった。しかし石井もコーナーへのホイップを切り返し、ラリアットから滞空時間の長い雪崩式ブレーンバスターへ。ダメージを受けた関本に嵐が追い討ちをかける。裏投げからフェースロックに行くがNOSAWAカット。タッチを受けた諏訪魔が飛び込むが関本はパワースラム。NOSAWAとのダブルブレーンバスターからシャイニング・ウィザードとジャーマンの合体攻撃。NOSAWAが諏訪魔を丸め込んでいくがカウント2で跳ね返す。もう一度ツープラトンのクローズラインを狙うが、逆に諏訪魔が関本&NOSAWAへのラリアットで反撃。

 入ってきた後藤も含め、三人を次々とラリアットでなぎ倒す諏訪魔。最後は嵐&石井のフォローを受け、諏訪魔がフロントハイキックからラストライド! 手四つの体勢でNOSAWAを押さえ込んでピンフォール。異例の初防衛を飾る。

 諏訪魔の男気に感動した天龍。試合後改めてベルトを手渡すと、「このベルトは天龍さんにお返しします」と諏訪魔。全日本プロレスの後輩として、自分の意思を継いでくれる後継者として、天龍は改めて諏訪魔を認めたのであろう。全試合が終了し、囲み取材の席でも天龍は上機嫌だった。時折茶目っ気たっぷりの笑みを見せる等、今大会の成功、そして諏訪魔の参戦に心から感謝していたのであろう。次回大会は天龍の膝の具合によると語っていたが、熱い戦いを目前で見せ付けられて血がたぎったのだろう、天龍の目にはまだ明日が見えていた。

 トリプルメインイベントと銘打たれたこの大会、IJ選手権はHIROKIがトランスレイヴからの片エビ固めで王者・タイガーシャークを破って王座奪取。三度目の正直、デビュー10周年という節目の試合に勝利したHIROKIは喜びを爆発させた。復活したIJタッグ選手権試合は、折原昌夫&ブラック・タイガーが円華&忍を破って戴冠。折原は「このベルトを他団体に持ち込んでやる!」と宣言。再びIJタッグのベルトに光が戻ってきたのか。

 天龍源一郎の負傷欠場、平日の夜開催、更に当日は別の興行が行われた事もあり苦戦を強いられてしまったが、新宿FACEは大勢の観客で賑わった。会場にはニコラス・ペタス、アントニオ小猪木等も来場。天龍とのツーショット写真撮影会や様々なグッズの当たる「天龍くじ」等、ロビーの物販も好調であり、改めて天龍源一郎が現在まで残した軌跡の大きさを感じさせる。次回大会は天龍自身の膝の回復具合を見てとなるが、まだまだ天龍はプロレス界に元気を取り戻そうと張り切るだろう。今を生きる天龍源一郎に幸あれ−−。
(Office S.A.D. 征木大智)

◆天龍プロジェクト第4弾『NEVER SO』
2010年9月29日(水)
会場:東京・新宿FACE(観客385人)

<特別試合 天龍プロジェクト認定世界6人タッグ選手権試合 時間無制限1本勝負>
(王者組)○諏訪魔&嵐&石井智宏(14分14秒 体固め)(挑戦者組)関本大介&後藤達俊&●NOSAWA論外
※ラストライド 第2代王者組が初防衛に成功

<トリプルメインイベントIII 天龍プロジェクト認定世界6人タッグ選手権試合 時間無制限1本勝負>
(挑戦者組)○諏訪魔&嵐&石井智宏(16分17秒 片エビ固め)(王者組)関本大介&高山善廣&●後藤達俊
※ラリアット 初代王者組が二度目の防衛に失敗、諏訪魔組が第2代王者組となる。

<トリプルメインイベントII 天龍プロジェクト認定IJタッグ選手権試合 時間無制限1本勝負>
折原昌夫&○ブラック・タイガー(18分14秒 エビ固め)円華&●忍
※BTボム 折原&ブラック・タイガー組が第16代王者になる。

<トリプルメインイベントI 天龍プロジェクト認定IJ選手権試合 時間無制限1本勝負>
○(挑戦者)HIROKI(11分31秒 片エビ固め)●(王者)タイガーシャーク
※トランスレイヴ 第16代王者が6度目の防衛に失敗、HIROKIが第17代王者となる。

<第3試合 女子シングルマッチ 30分1本勝負>
○井上京子(9分49秒 エビ固め)●佐藤綾子 ※パワーボム

<第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○田島久丸(9分03秒 片エビ固め)●ベアー福田 ※ブレーンバスター

<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○百田光雄(8分24秒 体固め)●土方隆司 ※バックドロップ

詳しくは天龍源一郎オフィシャルサイト http://www.tenryugenichiro.com/ まで。

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