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幻の技を出した白鵬の余裕

 横綱・白鵬の4連覇、27回目の優勝で幕を閉じた大相撲秋場所(両国国技館)。
 まるで無人の野を疾駆するライオンといった感じだが、場所前の調子は決してよくなかった。調整の柱にしている出稽古もたった2日だけ。腰の痛みを訴え、横審の稽古総見でも、上位陣を避けて格下相手に終始し、「場所中の(軽めの)稽古みたいじゃないか」と北の湖理事長をがっかりさせていた。

 しかし、いざ本番では、まるで別人。「白鵬の強さの秘密。カギは二つある」と関係者が話す。
 「一つは徹底した節制だ。たとえば酒。白鵬は決して酒が嫌いではないが、場所中は全く寄せ付けない。優勝して勝利の美酒をよりうまく飲みたいのと、飲めば翌日の土俵の感覚に微妙な違いが出るのがわかっているからだそうだ。相撲の勝負は一瞬。それだけ勝負に徹しているのだろう」

 先場所千秋楽翌日の優勝一夜明け会見では、まだ酔いが残っている顔で現れ、「あの男を超えられてよかった。これでもう文句は言わないだろう」と、優勝回数で抜いたモンゴルの先輩、朝青龍を“あの男”呼ばわりして高笑いしていた。

 もうひとつは、あの手この手で自分を奮い立たせていることだ。横綱在位7年目ともなるとマンネリになりがち。しかし、白鵬は記録や決まり手などに異常なぐらいこだわり、それをうまく自分の刺激にしている。

 この秋場所も8日目に平幕・宝富士を相手に16年半ぶりという幻の大ワザ“呼び戻し”(別称=仏壇返し)を決め、「ずっと狙っていたんだ。いいもん見ただろう」と、自身32個目となった決まり手に堂々と胸を張った。

 最強横綱がこんなに創意工夫をしているのだから、他の力士はもっと努力しないと勝てるはずがない。

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