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専門医に聞け! Q&A 脂質異常症、多血症に効くヒル

 Q:肥満で中性脂肪も高めで、血液中の血が多い多血症気味でもあるそうです。医師から、このままでは血糖値も高くなるはずだからと、食事療法と運動療法を行うよう勧められています。しかし、できないままです。漢方薬に何かよいものはないでしょうか。(38歳・特定公益財団勤務)

 A:まずは基本的なこととして、食事療法と運動療法に努めるべきでしょう。食べ過ぎているでしょうから、量を減らし、脂っぽいものや炭水化物もとり過ぎないようにしましょう。
 運動については、仕事が忙しい人の場合、そのためにだけの時間を作ることは難しいでしょう。そういう人にとって最もよい方法は、歩くことです。
 通勤などの時間を活用して、できるだけ多く歩くように努めましょう。歩くことは、中性脂肪、血糖値、高血圧の改善に非常に効果的です。
 漢方薬に関しては、ご質問の方にお勧めしたいものに「ヒル」があります。山などにいて、人の血を吸うヒルは、漢方では水蛭(すいてつ)といいます。

●食事・運動療法に加え、ヒルの活用を
 実際にヒルに噛まれるとわかりますが、血が出て、しかもヒルを引き離してもなかなか止まりません。その理由は、ヒルには血を固まらせない力があるからです。
 ヒルは動物の血を吸いますが、吸った血が腸で固まると死んでしまいます。すでに19世紀のイギリスで、ヒルの唾液腺から抗血液凝固成分が発見されています。
 つまり、ヒルは血が固まるのを抑え、血液の流れをよくするのです。昔は、生きたヒルを売る店があり、ヒルは瀉血に利用されてきました。例えば、肩こりには肩の血を吸わせます。
 血液の中に中性脂肪などの脂質が過剰にある脂質異常症や糖尿病、多血症に共通するのは、血液をドロドロにすることです。
 ヒルは血液をサラサラにする働きがすぐれているので、ご質問の方に最適です。今では、乾燥した粉末が健康食品として販売されています。残念ながら、これは日本では現在、漢方生薬に認められていません。
 上手に活用するコツは、1日の量を少なめにして、長く続けることにあります。1日の使用量として提示されている量にはそれぞれ幅がありますから、その最低量、あるいは半分程度の量にするとよいでしょう。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
 東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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