舞台あいさつには、本作でヤクザの元若頭を演じ、長編映画初主演を飾った蛭子をはじめ、組長役を演じたトリンドル玲奈、脚本を担当した福田雄一、メガホンをとった徳永監督も出席。本格的なヤクザ役に挑んだ蛭子は「(オファーをもらった時)最初は本当に違和感がありました。あんまり仕事は断らないので、すぐに引き受けはしたんですけど…」と自身のキャラと全く正反対な役を演じることにためらいがあったことを告白。現場でも「後悔しています」と零していたエピソードを監督らとにこやかに雑談したが、北原はそんな蛭子に「かっこよかったです」とエール。最初はぎこちなかったというが、「どんどんかっこよくなっていきました」と話して蛭子を大照れさせた。
ミスマッチという意味ではトリンドルの組長役も大胆な配役と言えるが、トリンドル自身も組長役には当初抵抗があったと苦笑い。「最初蛭子さんの娘役の予定だったんですけど、それが組長役になってしまって。今さらノーとも言えないですし…」と恥ずかしそうにコメント。配役については福田も徳永監督も狙い通りだったといい、蛭子の主演について福田は「(話し合って)10分くらいで決まったんです」とニヤニヤ。「僕はちょっとズレているものが好き。ベタな内容だけど、大きな間違いがひとつあるみたいな。主役が違うぞみたいなものがね」とその理由を明かしていた。
(取材・文:名鹿祥史)