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虎ファン加勢! 星野楽天の日本シリーズ「甲子園」代替計画すっぱ抜き(2)

 話は楽天が、ホリエモンこと堀江貴文氏が率いていたライブドアとプロ野球の新規参入を争い、東北楽天イーグルスを誕生させた'04年11月にさかのぼる。
 その際、NPBとオーナー会議は楽天に一つの注文を付けた。本拠地球場をプロ野球のスタジアムにふさわしい「2万8000人〜3万人収容できる球場に増築する」というものだった。
 「2万8000人という数字は日本シリーズを想定して弾き出されたものです。どのカードにせよ、日本シリーズは確実に満パイになる。地元ファンに感謝する意味でも、多くのファンに恩返しをすべき、というのがNPBの考えなのです。しかし、これまで楽天はその約束を反故にしてきた。東日本大震災でKスタ宮城も被災し、復旧工事が先で増築どころじゃなかったのも事実ですが、万年Bクラスで日本シリーズなど想定していなかったことも否めない。今回は慌てて9月中までに特設スタンドを2カ所設置し、2185席を増設して収容人員を2万5651人にするようですが、それでも2万8000人には届かない。これじゃ小選挙区の『1票の格差』を誤魔化そうとする『0増5減』のようなもの。根本的な解決になっていない。また、統一球問題の最終報告が9月19日にある。NPB首脳と対決姿勢を鮮明にしている三木谷オーナーへの陽動作戦で、今後、加藤良三コミッショナーが楽天のKスタ宮城での日本シリーズ開催に『ノー』を突き付ける可能性も十分にあります」(某球団フロント幹部)

 これほどこぞってKスタ宮城での日本シリーズ開催に反発する理由はもうひとつある。分配金の問題だ。別の球界関係者が続ける。
 「日本シリーズはNPBにとって、有力な収入源なのです。具体的にいえば、各球団が年1億円負担する参加加盟料、オールスター収入、日本シリーズ収入の3本柱でNPBは成り立っている。キャパの問題で観客数が減れば、そのままNPBの収益も減り、月給200万円、交際費1000万円といわれる加藤コミッショナーもこれでは困る。そればかりか、日本シリーズに出場できなかった球団も、実は、日本シリーズの収益から分配金が入るシステムになっている。楽天がこのままKスタ宮城で日本シリーズを開催するのなら『損失補てん金を要求する』という声も出ているのです」

 実際、同じような背景で1974年のロッテは仙台・宮城球場→後楽園球場、1979年、1980年の近鉄は藤井寺球場→大阪球場で日本シリーズを代替開催している。

 もっとも、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの楽天の財力からすれば、「これまで経験したことのないような大幅な増設突貫工事」など容易に違いないが、それをためらわせているのが、マー君のメジャー転出問題だ。
 「このオフにも、新しいポスティングシステムのもとで仙台を羽ばたくのが確実視されていたが、見通しが立たなくなっている。当のポスティング新制度導入がメジャー選手の薬物問題などの対処で大リーグ側が忙殺され、暗礁に乗り上げているのです。もし、マー君が楽天残留となると、来季年俸は“倍返し”の推定8億円と莫大。目先の収益を考えてスタンドを大改造しても、来年は一転大赤字という事態になりかねませんからね」(ベテラン記者)

 日本シリーズが甲子園開催となれば、虎ファンも楽天に加勢するのは間違いない!

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