そのツアーは1か月に渡り6会場で7公演が行われたのだが、メンバーにとってもファンにとってもこの日(千秋楽)は来て欲しくなかった。そんな思いとは裏腹に、最後の日が無常にも来てしまった。そんな大事なコンサートは『みなさんご一緒に』からスタート。笑顔イッパイでステージに登場したメンバーは、いつもと変わらないパフォーマンスを見せてくれて、一気にファンをチームMワールドに引き込んでいった。
この後にユニット曲、公演曲、シングルメドレーと続くのだが、このシングルメドレーの最後の曲『北川謙二』は、NMB48至上最高の盛り上がりと言っても良いくらいの盛り上がりを見せてくれた。このツアーには、毎回2人ずつ研究生が参加しているのだが、千秋楽には全研究生が参加するサプライズも用意されていた。もちろんこの『北川謙二』にも全員が参加して、総勢31名がタオルを振り回しながらステージを駆け回り、これぞ一体感という空気を作ってくれた。すごい盛り上がりを見せてくれたのだが、無常にもこの次の『タンポポの決心』で終わりを迎えてしまった。
幕が閉じて会場が暗転になると客席は、チームMのチームカラーであるピンクのサイリウムが点灯され、客席全体に艶やかな光で、メンバーを出迎える準備が整えられた。そしてアンコールが発動されるのだが、アンコールは従来とは違い、メンバーのニックネームを順番にひとりずつコールして、最後は割れんばかりの『NMB48』コールで、メンバーの登場を心待ちにしていた。そんなファンの気持ちに応えて、もう一度ステージに帰ってきてくれた。ステージに戻り、山田菜々が「メチャ感動した。皆さんのピンクのお陰で、気持ちがレベルアップしました」と嬉しそうに話してくれて、アンコールは3月26日発売の新曲『高嶺の林檎』を含む3曲を披露してくれた。
割れんばかりの拍手の後に、4月7日に卒業が決まっているキャプテンの島田玲奈の卒業セレモニーが行われるサプライズも行われた。矢倉楓子は「私にとってママみたいな存在で、いつもギュッとしてくれるのが嬉しいです。これからもギュッとしてね。しまれなに会えて幸せです。大好き」と話してくれた。そして最後は同い年で親友の高野祐衣と村上文香が登場して、労いの言葉を投げかけながら、なぜか島田を2人が両サイドで挟み、両頬にキスをすることになった。会場は「れなちゃん」コールが巻き起こり、島田は感極まり涙した。「皆さんがいてくれて、暖かいメンバーが支えてくれて、ここまで来ることができました。今日が今までで一番幸せです」と語ってくれた。卒業していくのは淋しいが、この日は研究生の三浦亜莉沙のチームMへの昇格も発表された。三浦はチームMの戦力としてどこまでやれるのか今から大きな期待がかかっている。プレッシャーもあるかと思うが、しっかりと前へ突き進んで欲しい。
盛りたくさんの内容だった千秋楽だが、しんみりすることもなく、明るく楽しいチームMらしさを出し切った最高の千秋楽になったのではないかと思う。これからもこのチームMのことを忘れないで、気持ち良く新しい一歩を踏み出してもらいたい。