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『こんなトコ行ってみました!』 ドSな若き演出家を、ドSに取材して楽しむドMな記者の一日

 東京メトロ有楽町線・副都心線に「小竹向原」という駅があって、そこから歩いてすぐに「アトリエ春風舎」という小さな劇場がある。そこで今、神里雄大と白神ももこによる『動け! 人間!』という劇をやっていていて、ややっこしいが「た」のつく公演は有名大学の演劇学部があるこの街にふさわしく、若い人たちが実験的に何かやっている。しかし、その出来栄えはビミョウだ。

 地元ではないが、けっこう偏差値の高い大学の演劇学部を出た神里雄大クンはすごくとっつきにくい演劇青年。彼のつくるお芝居は、内容はさっぱり理解できないけれど、まあまあ面白い。自分より年下で“イケメンじゃない男性”には、とたんにタメ口を聞いてしまう記者。神里クンはまだ学生にしか見えないけど、結構年配の俳優さんがこの人の言うとおりに演技している。若いけど才能があるのかもしれない。最年少でなにか賞もとっている。でもそんなのお構いナシに「童貞ですか?」などなど失礼な事を聞いてしまう記者。その度にカミサトは判で押したように怒ってしまい、いままで取材が成立しなかった。

 さて今回は、カミサトたちが若い役者を使って一からお芝居を作っていく試み。未完成なものを金とって(1800円!)4時間半も見せられる、ある意味拷問のような公演だ。やっと「アトリエ春風舎」を見つけて代金を払って中に入ると、珍獣ハンターイモトそっくりな女の子を真ん中に、何人かの男女が、カミサトの言うとおり東京音頭を踊らされている。平和な日本、これも青春か。一見退屈でもドSなカミサトと長丁場を一緒に過ごせるというのは、ドMな演劇ファンの記者にはたまらなく楽しい時間。ああ、もっと厳しく役者たちにつっこんで。

 不景気だとか、社会情勢だとか、お構いなしに好きな事をやっている人たちってみんな同じ目をしていて、黒目が大きくて澄んでいるのが特徴。そしてナゼか記者は必ず彼らから激しく拒絶される。「神聖かまってちゃん」のの子も、○○BOYZの○○も、若手映画監督の○○さんも、屋根裏の猫さえも、「ここぞ!」という取材対象にはとても嫌われやすい記者。そしてこのギョロ目の神里雄大からは一番嫌われているかもしれない。結構何度も後ろ足で蹴られている(態度で)。でも、ドMだから追いかけちゃう。カメラを向けると「ヤメロー!」と顔を隠して嫌がるカミサト。でもお構いなしに写真を撮りまくる。取材はある意味SMだ。(『動け! 人間!』は5月5日まで、「た」のつく日を「岡崎藝術座」の公演案内 http://okazaki.nobody.jp/next.htm で要確認の上お越しを)<コダイユキエ>

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