26日に行われたタイトルマッチで、自身の持つ日本人最年長防衛記録を更新した内藤。
試合を振り返り「熊朝忠選手はやりにくかったですね。KOをちょっと意識しすぎた」と猛省。下馬評では圧倒的有利とされていただけに「やっぱり(勝って)ホッとしています」と安どの表情を浮かべた。
気になる次戦については「全く考えてません。考えたくありません。(オフは)テレビの活動とかボクシング以外の仕事と決めている」とキッパリ休養に専念することを宣言した。宮田博行会長は「(まだWBCからの)レターを僕自身が見ていない。ただ、健康管理上90日以内というのはどうか」と首をかしげた。
だが、今回ばかりは休息の時間が限られている。WBCから90日以内にポンサクレックとの統一戦が義務付けられているからだ。もし従わなければ、ベルトはく奪の可能性もある。
V6戦に向けてダメージからの回復具合も気になるところだが、問題はそれだけではない。今後両陣営は一定期間交渉を行うが、交渉が決裂した場合、WBC本部で入札が行われる。入札は、双方のファイトマネーの総額を出して、最高入札額を提示した側が興行権を得ることができる。
あるボクシング関係者は声をひそめて言う。
「(今回は)正規チャンピオン側が不利だと思いますね。暫定側が『入札でもいいよ』となれば、ギリギリまで金額を吊り上げて落札させ、日本で試合をするでしょう。それに、ポンサクレックのジムには(WBC)ランキング1位の選手もいますからね。お互いの経済力と交渉力がポイントになってくると思います」
つまり、ポンサクレックが敗れたとしても“保険”が効くというわけだ。
今回のV5戦で内心ウハウハの内藤にとってみれば、指名試合を2年近く回避してきたツケがまわってきた格好となった。
◎視聴率20%超え
26日にTBS系で放送された内藤大助VS熊朝忠の平均、瞬間最高視聴率が発表され、20.4%、27.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。
内藤の防衛戦は全戦同局が放映してきたが、いずれも20%超え。だが、前回の山口真吾戦と比べると、5.2%ダウンという結果になった。内藤は「テレビで見てくれてうれしいです。本当にありがたい」と語った。