「一進一退の容態が続き、一時的に危険に陥るときもあって目が離せない状態でした。それでも昨年末は少し話せるようになったのですが、今年に入ってからは意識も混濁していたようです」(芸能関係者)
松方さんは東映映画の全盛時代、時代劇や『仁義なき戦い』などの任侠映画に出演し、“銀幕のスター”と呼ばれた。その後は活動の場をテレビ時代劇にも広げ、『大江戸捜査網』(テレビ東京系)や『名奉行 遠山の金さん』(テレビ朝日系)でも主役を演じた。
「その一方で、日本テレビの『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』にも出演。笑い上戸の一面を披露し、バラエティー番組でも活躍したんです」(テレビ関係者)
番組を通じて親しくなったビートたけしは、松方さんの豪快な遊びっぷりに驚かされたという。
「京都の老舗高級ステーキ屋で、松方さんは一晩で2000万円使ったことがあるんです。その大半が高級ワイン代。これには、たけしも驚いたみたいですね」(バラエティー番組関係者)
ところが、2011年8月に所属していた大手芸能プロから独立。事務所との間で“金銭トラブル”が発覚したことで、一時は芸能界から干された。その後、徐々にテレビ出演も解禁され、“元スターの互助会”と呼ばれる『夢グループ』主催の『夢コンサート』で、小林旭と舞台の主演を務めるようになった。
「趣味の釣りでも、一昨年5月には沖縄県の石垣島沖で361キロの超巨大マグロを釣り上げ、世間をアッと言わせた。脳リンパ腫であることが分かったのは、『松方弘樹の世界を釣った日々』が出版される直前。無念だったと思います」(知人の芸能関係者)
松方さんの闘病生活を支えたのは、長年ともに暮らしてきた“事実婚”相手の元女優・山本万里子さんだ。
「山本さんは25年間、一度も松方さんに結婚を迫らず支えてきた。これまで松方さんが一緒に暮らした中で最高の女性です。入院後は個室のため、その費用だけでも大変だったと思います。それでも万里子さんは片時も松方さんから離れず、健気に看病していましたよ」(同)
松方さんは、飲み代を一晩300〜500万円使うことが普通だったという、気っ風の良い“男の中の男”だった。昭和の灯がまた一つ消えた。合掌。