そんな情報がテレビ業界で飛び交っている。
『いいとも』はここ数年、視聴率不振にあえぎ、それが打ち切りの原因とされた。
これまでの31年間の平均が11.5%。'88年4月29日には27.9%を記録し、連休や夏休みには正午帯で絶対的な強みをみせた。
だが、最近は平均10%を切り、昨年は平均6.5%と低迷を続けていた。
裏の『ヒルナンデス』(日本テレビ系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)に何度も抜かれている。
そのため、視聴率3位にあえぐフジテレビは、再浮上のため、2年前に『いいとも』斬りを常務会で決定。所属の田辺エージェンシー(以下 田辺A)と交渉を重ねてきたのだ。
昨年、編成制作局長だった荒井昭博氏が、かつて『いいとも』のプロデューサーだったため、タモリの打ち切り交渉役に命じられた。
しかし、あまりにも近いせいか、タモリの首に鈴をつけることはできなかった。そこで、人事異動を断行。新しく局長を踏襲した大多亮常務、それに亀山千広社長が春から夏にかけて田辺Aに対し最終打ち切り通告を正式に打診したのだ。
低視聴率も問題だったが、ギャラの高さもフジには負担となっていた。
「タモリのギャラは1回推定150万円とされ、生番組では最高ランク。週5回で750万円、年50週となれば3億7500万円にもなる」(芸能界関係者)
ただ、田辺Aとしてもいきなりこの“売り上げ”を失うことになれば経営の屋台骨が揺らぐ。そのため、慎重な検討を重ね、最終返答を伸ばしてきたようだ。
「亀山社長もそのへんの事情をくんでおり、強引に押し通すこともせず、田辺の結論を待つ状況が続いていた」(フジテレビ事情通)
だが、ここにきてフジの決断を田辺Aは受け入れることにした。理由は、同じ事務所に堺雅人という新大黒柱が誕生したからだ。減収分となりそうな3億7500万円は、堺のCMで補填できそうな気配になった。
堺のCMは1本推定6000万円。『半沢直樹』が終了して、スカパー、ソフトバンク、トヨタ、キリン、サッポロ一番と次々に契約が成立した。
田辺Aとしては、今後の資金繰りは大丈夫と読み、タモリ降板を承諾したとみていい。
それにしても、長く続いた打ち切り騒動だった。