特訓の成果で大幅パワーアップ。杉浦がベルト奪取に向けて進化を遂げている。
5・23新潟大会で齋藤彰俊&バイソン・スミスとの防衛戦に敗れ、2冠獲りのチャンスを逃してしまった。しかし、落ち込むことなくススキノでのマル珍調整を敢行。「朝の5時くらいまで飲んでました。3、4日下痢が続いて絶不調になりました」という。その後は酒を断つことで超回復に成功。「今は絶好調」と豪語するように、タッグ王座から陥落後、わずか3週間あまりの間で別人のように生まれ変わった。
進化と共に森嶋攻略の手応えをつかんだのか、大型王者に真っ向勝負を宣言。145kgの大型王者に対して杉浦は102kg。体格差は歴然だが「お互いぶつかって、最後にどっちが立っているかの勝負。向こうが立ってくるなら五輪予選スラムで何発でも投げます」。自身のフェイバリットホールド、五輪予選スラムを無制限で放つ構えだ。
杉浦といえば、プロレスラーになる前は自衛官としてレスリングでオリンピック出場を目指していた。レスリングでの五輪出場はならなかったが、プロレスの世界ではGHCヘビー級王座戦という五輪級の大舞台に立つ。
今年は北京五輪が開催されるとあって「五輪予選スラムの記録を狙いたい」と1試合での五輪スラム投入の新記録をつくるという。これまでの最高は2007年3・4日本武道館大会で行われた三沢光晴戦での5発。森嶋戦では投げて投げて投げまくり“世界記録”を樹立した上でGHCヘビー級王座という“金メダル”を目指す。
五輪仕様はそれだけではない。秘密兵器も用意した。「当日はスピード社のアンダーシャツをはいているかもしれない」。存在するかは分からないが、水泳界で世界新を連発しているあのメーカーの勝負パンツを着用することまで匂わせている。
タッグパートナーである丸藤正道以来2人目となるGHC完全制覇の偉業を狙う杉浦は「勝つだけです」とキッパリ。静かに決戦の日を待っている。