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団体名の由来は「生きる」。9月5日アライヴ足利大会は満員の観客が押し寄せた!

 最近の在京インディー団体の対戦カードの中で、この選手の名前を見る機会が増えている。
 末吉利啓(すえよしとしひろ)。栃木県で生まれた一人の男が、在京インディーを熱くしている。
 EAGLEプロレスでデビューを果たした末吉は、いきなりその実力を開花させる。自分の理想を追い続けると自身が中心となり北関東や東北地方を中心に活動する団体「プロレスリング・アライヴ」を興す。
 その地道な活動に加えて実力も備わってきた末吉は、レギュラー出場しているIWAジャパンのリングで小部卓真(おべたくま)を破り、見事第9代IWA世界ジュニアヘビー級の王者に君臨する。そのベルトを巡り、在京インディー団体で活躍する若い選手達が争奪戦を繰り広げ始めている。若く、実力も備わっているがまだ広く一般に知られていない選手達を活性化する事にも一役買っている末吉なのだ。

 9月5日、栃木県足利市にある足利市民プラザでアライヴの大会が開催された。驚いたのは満員になってもまだ押し寄せてくる観客の数。当初予定していた席数では足りず、急遽増席する事で事なきを得たが、北関東の地方大会とはいえそれだけの観客を動員する事はたいしたものである。

 メインイベントで行われたのは末吉の保持するIWA世界ジュニアの初防衛戦。対戦相手にはFREEDOMSの神威(かむい)が名乗りを上げる。神威も日本全国を巡り、実力を着実につけている男。若い二人によるタイトルマッチは200名(満員)を動員した観客からの大きな声援の中で行われた。
 末吉の右腕を神威が攻め始めた所から試合は動き始める。得意のエルボー攻撃を封じ込められた形になった末吉は苦戦する。鉄柱に叩き付ける、グラウンドではアームロックを極める、ムーンサルト・プレスを出した直後にワキ固めと、神威の一点集中攻撃が王者末吉を苦しめる。流れを引き戻そうとして末吉も反撃。メキシコ遠征で身につけた技「肘天井」を出すが右腕への集中攻撃が響き途中で離してしまう。ここ一番でしか出さない大技「武者返し(高角度のリバース・タイガードライバー)」を繰り出すが神威はカウント3を許さない。神威は末吉の突進をフランケンシュタイナーで切り返し、腕ひしぎ逆十字固めへ。これでタイトル移動か?と思わせる程強烈に極まっていたが、末吉も意地でロープに足を伸ばす。満員の観客からは惜しみない声援が送られている。立ち上がってチョップ、エルボーを打ち合う両者。蓄積されたダメージは末吉の方が大きいはずだが、地元栃木でのメイン、初防衛戦に懸ける意地が勝ったのか。ロープの反動をつけたランニング稲妻エルボーを神威に叩きこんで3カウント。見事に初防衛戦を飾った末吉。

 セミファイナルでは群馬県伊勢崎市出身の鎌田大輔(かまただいすけ)が、「昭和プロレス最後の伝承者」であり同門の藤原秀旺(ふじわらしゅうおう)に挑んだ『鎌田大輔・男の三番勝負』最終戦。これまでにユニオンの石川修司、FREEDOMSの佐々木貴と対戦し連敗している鎌田。在京インディー界屈指の体格を持つ両者の対戦は、館内からの大『鎌田』コールの中行われた。場外に鎌田をたたき出し、机を持ち出した藤原はそれに額を叩き付ける。更にセットした机の上でパイルドライバー!グロッギーになる鎌田をよそに、リング上で寝そべり「こいつ弱いじゃん」と観客をも挑発する藤原。リングに戻った鎌田にサソリ固めからSTF。じわじわと若い鎌田の体力を奪う藤原。鎌田も串刺し式のDDTからダブルフットスタンプを繰り出すが、ペースは藤原が握ったまま。しかし藤原のダイビング・エルボードロップを自爆させると一気にスパート。最後は渾身の力を込めて放ったワイルド・ボンバーが火を噴いて藤原からピンフォール勝ち。地元に近い足利の大会で見事に白星を飾ってみせた。

 この日の大会には豪華なゲストも顔を出していた。IWA世界ヘビー級王者である松田慶三は入場時にベルトを高々と掲げる。奇しくもIWAジャパンの二台王者がそろい踏みしたのだ。出場予定であったEAGLEの島田宏に代わって茂木正淑が参戦。ミスタータガミとのタッグで松田慶三&木村太輔のタッグと対戦、得意の雪崩式ブレーンバスターやちゃぶ台攻撃を見せる等、元気な姿を見せていた。
 レギュラー参戦しているSTYLE-Eの田村和宏、IWAジャパンからは小部卓真、大日本プロレスの塚本拓海、EAGLE時代の先輩である近藤博之、闘龍門出身のアミーゴ鈴木も出場し大会に華を添えていた。

 試合後マイクを握った末吉は、満員になった観客に対してアピールする。
 「プロレスリング・アライヴはその名の通り『生きる』ということをテーマにした団体です。
 人生には、辛いこと、苦しいこといっぱいありますが、それを振り返れば必ず楽しいことや、明るい未来が待っていると思います。それを俺達はプロレスを通じて伝えて行かれれば。そう思って、俺達は今、汗水流して頑張っています。皆さん!俺達の試合を見て、少しは元気になって貰えましたかっ!?」
 思いのたけを伝えた末吉。観客は暖かい拍手でこれに応える。最後は館内一体になっての「We are ALIVE!」で締めた末吉。
 「去年はここまでお客さん入らなかったですからね。凄く嬉しいですよ。」試合後末吉はぽつりと語った。地元に対する貢献を怠らなかった為、この結果が出たと信じている。地方でのプロレスを根付かせる為に重要な事を行っているアライヴ。当日の売り上げ金一部を地元に寄付する等地道な福祉活動も行っている。
 ただ一点残念に思ったのは興行の段取りのミスが出てしまった事。興行というものはそれ一つ全てを観客に提供するのである。たかが少しの時間と思って侮ってはいけない。全てが円滑に流れてこそ、観客の満足が得られる。他の団体もこの点を考慮し、より良い興行を観客に提供して欲しい。

 笑顔、歓声、拍手、これら全てを受けられるのはプロとしての最大の喜びであり、最も難しいものなのだから。
Office S.E.D. 征木大智(まさき・だいち)

◆プロレスリング・アライヴ『フロンティアロード2010〜足利はアライヴが熱くする〜』
2010年9月5日(日)会場:栃木『足利市民小ホール』(観衆200名=満員)

<メインイベント IWA世界ジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負>
○(王者)末吉利啓(19分16秒 片エビ固め)●神威【FREEDOMS】
※ランニング稲妻エルボー。第9代王者末吉が初防衛に成功。

<セミファイナル 鎌田大輔男の三番勝負最終戦45分1本勝負>
○鎌田大輔(18分01秒 体固め)●藤原秀旺
※ワイルド・ボンバー。三番勝負結果は1勝2敗で終了。

<第3試合 〜見せろアライヴ男の生きざま〜スペシャルタッグマッチ30分1本勝負>
茂木正淑&○ミスタータガミ(17分46秒 片エビ固め)松田慶三【IWA JAPAN】&●木村太輔 ※トラースキック

<第2試合 タッグマッチ30分1本勝負>
○田村和宏【STYLE-E】&はらじゅくきっど(14分20秒 腕ひしぎ逆十字固め)アミーゴ鈴木&●塚本拓海【大日本プロレス】

<第1試合 シングルマッチ20分1本勝負>
○近藤博之【EAGLE】(11分02秒 片エビ固め)●小部卓真【IWA JAPAN】 ※クラッシュ・アイス

プロレスリング・アライヴ公式サイト http://alive.ikaduchi.com/
ブログ「アライヴちゃんの○○な話」 http://alive-tsushin.jugem.jp/

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