「週末になればホテル同士で『部屋残ってない?』ですわ。今後も関空発着のLCCが増便して韓国人や中国人観光客が増え続ければ、大変なことになる」(大阪府ホテル協同組合の関係者)
このドタバタは、地元のホテル業界に新たな動きを生み出している。利用者の新規開拓が課題だったラブホテルが、外観をビジネスホテル風に改装するなどして観光客の受け入れに動き出したのだ。
あるラブホテルのオーナーが語る。
「最近、個人客や格安ツアーの代理店からの問い合わせが増えているようです。この手のホテルはあっち(中国・韓国)では少ないから、異文化体験にもなるらしい。カップル客なら需要があるのでしょう」
そんな状況を見越してか、不動産業界ではラブホテル物件の取引が活発になっているという。
「転売やら物件探しの話が毎週聞こえてきて、バブルの時みたいなことになってますわ。“ラブホ転がし”でカネ儲けする業者もいてるという話も聞くぐらいです」(不動産関係者)
客室不足への食い込みを狙うのはラブホテルだけではない。物件の供給過多に陥っている賃貸マンション業界も同様だ。
「業界では、賃貸マンションを外国人向けのゲストハウスとして転用する案も浮上しています。ただし、旅館業法などの改正が必要になるため、ある企業などは幹部が自民党に働きかけているとの情報もある。東京五輪に向けて、この動きはさらに活発化するでしょう」(業界誌記者)
外国人観光客による経済活性化は結構だが、強引なヤリ口の果てに治安の悪化を呼ぶことだけは勘弁だ。