1年かけての最終予選が火ぶたを切る。堂々「1位突破」を宣言するザッケローニ監督だが、最終予選での監督解任、途中交代は枚挙にいとまがない。
先の国際親善試合アゼルバイジャン戦では、香川真司(23、ドルトムント)が先制ゴールを決めれば、岡崎慎司(26、シュツットガルト)のゴールを本田圭佑(25、CSKAモスクワ)がアシストといった具合に順風満帆に映るザックジャパンではあるが、日本サッカー協会はすでにバックアップ体制を整えている。
「いまのザックジャパンでは世界ランク109位のアゼルバイジャンには勝てても、最終予選を戦う相手に楽に勝てる力はない。選手の能力を十分に引き出せていないからです。昨年9月から今年2月の3次予選で格下の北朝鮮、ウズベキスタンで2連敗したことが何よりの証明。協会首脳はザックジャパンに自信をつけさせるため、あえて弱いチームで強化試合をマッチングしたのでしょうが、『1位で突破する』と豪語するザッケローニ監督の言葉は額面通りに受け取れません。選手間でも『ザック采配には戦術が見えない』『監督を代えるべきだ』という声が強まっており、協会としても有事の備えを進めています」(日本代表関係者)
4月、Jリーグで気になる監督交代があった。昨年限りでG大阪監督を退任し、J1通算239勝(69分け129敗)の最多勝利記録を持つ西野朗氏のヴィッセル神戸監督就任である。
「この発表を聞いて正直驚いた。というのも、西野氏がG大阪を辞めたのは、昨秋に北朝鮮に敗れザックジャパンの雲行きが怪しくなり、有事に備えさせるためだったからです。彼は早大サッカー部で岡田武史元日本代表監督の2年先輩。大学時代を含め人気、実績とも岡ちゃんを上回ってきた。協会も実力を高く評価しており、ザッケローニ監督の後任に温存していたのです。最終予選でチーム状況が好転しなければ、いつでもスイッチOKと。それが一番大事な時期にヴィッセル神戸監督。時期が時期だけに得心がいきません」(テレビ局プロデューサー)
西野氏がサムライジャパンをにわかに離れたのは、日本サッカー協会が西野氏に代わる「救援監督」の人選を終え、その手配が完了したからである。