午前1時半ごろに出たピエール逮捕の一報に、出演作のあるテレビ関係者や広告代理店、映画会社は大急ぎで確認作業に追われました。本業はミュージシャンと公言するピエールですが、最近は俳優での露出が非常に多く、売れっ子だったからです」(芸能事情通)
ピエールが芸能界でどれだけ売れていたかは、彼の年収を知れば理解できるだろう。なんと、軽く2億円を超えていたというのだ。
「9割以上がCMやドラマ、映画などの俳優業。残りがアーティストとしての収入です」(芸能関係者)
ピエールショックが芸能界に浸透する中、早くも話題になっているのが違約金や損害賠償の額だ。ちなみに、2月に強制性交の疑いで逮捕された新井浩文被告(40)の違約金&損害賠償額は推定3億円。明らかに新井被告よりも売れっ子だっただけに、金額は倍々になるのではと噂されている。事実、ピエール逮捕の一報を受け、一部メディアやネットニュースなどが5億円、いや10億円などという金額を書き飛ばしている。
実際の金額はどの程度になるのか?
「100億円を上回る可能性が十分、あります。おそらく今後は自己破産するしか道はない。彼が所属するソニー・ミュージックは早々に解雇をして問題解決を急ごうとしているが、そううまくは運ばない。ピエールが個人で支払えるのはせいぜい3億円前後。残りはソニー・ミュージックに請求が来るはずです。事務所には土屋太鳳、二階堂ふみ、徳光和夫が所属。他に氣志團、木村カエラなどの人気アーティストを数多く抱えている業界ガリバー。基本、ソニー・ミュージックが肩代わりすることになるでしょう」(前出・芸能事情通)
違約金&損害額が100億円超なら、日本の芸能史上、最高額になること必至だが、気になるのはその内訳だ。
「ウォルト・ディズニーを相手に交渉しなければいけないんです。まさに、この仕事がなければ、交渉次第で5億〜10億円で収まったはず」とため息を漏らすのは、ピエールの関係者だ。
’14年に大ヒットしたディズニーアニメ『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版で、ピエールは雪だるまの“オラフ”役に抜擢された。しかも、11月22日には続編映画が公開予定だったのだ。
「今回の逮捕を知り、さっそくウォルト・ディズニー・ジャパンは声優交代を発表した。すでに同社オンラインショッピングの『アナ雪』関連ページからDVDが削除されています。だが、事はこんなレベルでは収まらない。契約書を盾に、本国のアメリカから凄腕の弁護士が大挙してやって来る。“オラフ”だけでなく、世界的大ヒットを記録した『アナ雪』のコンテンツ価値の棄損ですから。ハリウッドでは『100・ゼロ』という裁判用語がある。この種の損害賠償案件においては文字通り100か0かということで、それこそ今回は典型的パターン。もしかしたら100億円以上の額に膨れ上がる可能性もありますよ」(同)
『電気グルーヴ』のチケットの払い戻しやCD、映像商品の出荷停止。CM放映の中止。さらに映画『居眠り磐音』(5月17日公開)や『麻雀放浪記2020』(4月5日公開)などの撮り直し。現在、放送中のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺』を巡る編集問題などもあるが、ハリウッドの訴訟案件の前では霞んでしまうのだ。
「とはいえ、NHKもやっかいですよ。昨年の紅白歌合戦に桑田佳祐が出演したのも、同様の問題を解決するための“裏取引”があったんです」(夕刊紙記者)
同様の問題とは何か?
「未成年の少女に対する淫行問題で書類送検(のちに不起訴)された小出恵介ですよ。ピエールの大河ドラマとは比較になりませんが、小出もNHKの出演作が多数あり、損害賠償の話になった。小出が当時所属していたアミューズとしては、何とか安くしたい。そこで、同社に所属するトップアーティストの桑田を紅白に出すことで、穏便に済ませたという噂が根強いんです」(同)
ピエールも、この事件さえなければ、電気グルーヴの30周年を記念して紅白に出場できる予定だったとされている。
「ソニー・ミュージックも多くのタレントを抱えていますが、桑田ほどプレミア感のある大物はいません。アミューズのように賠償金を“値切る”ことは難しいかもしれませんね」(同)
本人だけで済まず、事務所まで破産しそうだ。