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東京制覇に向け観客集めに必死の巨人

 原巨人がメンツをかなぐり捨て、“盟主保持”に躍起になっている。今季のオープン戦の開幕戦となった2月22日の対DeNA戦(沖縄セルラースタジアム那覇)のオーダーが、何より必死さを物語っていた。例年なら売り出し中の若手を積極起用するところを、阿部や高橋由らのベテランも先発出場し、いきなりフルスロットルだったのだ。

 理由は翌日、同球場で行われた楽天戦にあった。楽天の先発に予定されていたのがドラフト1位ルーキーの松井裕樹。これと観客数の差を詰めようとしたのだ。
 「チケットの売れ行きが断然違っていた。楽天戦は3万人収容の球場がほぼ完売状態。しかし、巨人にとって頭が痛いのは、結果的に観客のほとんどが松井目当ての楽天ファンだったこと。巨人はオープン戦の開幕戦から、何としても客を呼ぶ必要があったのです」(巨人担当記者)

 もっとも、読売グループ内には、巨人のように「全国区の人気チーム」という思い込みはない。「東京ローカルの人気チーム」に軌道修正しているという。
 それを象徴しているのが、今季の日本テレビの巨人戦のテレビ中継。地上波で放送する巨人主催試合のデーゲーム14試合のうち、全国ネットはわずか2試合。残りの12試合は関東ローカルで放送する。昨年は地上波で放送したデーゲーム16試合が全国放送だったことを考えれば、思い切った方向転換だ。
 「死守すべきは東京ドームの観客数。野球離れが進行する中で、球場に客を呼ぶにはテレビ放送を減らすしかない。神宮球場はいずれ東京五輪に絡み球場の建て替えに入り、ヤクルトは近い将来に本拠地を移転する。それを機に巨人は“東京”を独占、新神宮球場に本拠地を移転するという声まで囁かれているのです」

 思惑通り行くか。

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