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専門医に聞け! Q&A 漢方で改善する体の“たるみ”

 Q:現代では、ビジネスにおいて若く見られることが大事といわれます。最近、顔がたるんできたように思います。血色も良くないようです。対策法があれば教えてください。(50歳。家電量販店勤務)

 A:齢をとるにつれ、一般に肌がたるんでくるものです。顔も、目が垂れ、頬や顎にもたるみが見られます。現代医学的には、これは筋力の低下によってもたらされると考えられます。地球には引力があるので、引力に抗する力が不足すると皮膚が垂れ下がってきます。
 一方、漢方の見方では、皮膚のたるみは、気・血・水の異常が影響しています。まず、漢方理論の気は、ものを上げる作用を持っているので、気が不足すると、すべてが下垂気味になります。ですから、皮膚のたるみは気の不足(気虚)によってもたらされると考えます。男女ともに、お尻が垂れ下がるなど、ボディーラインの崩れも同様です。
 気が不足すると、疲れやすく、体が冷え、脾胃(消化器全般)の働きが低下する傾向があります。胃腸の働きは筋肉と関係しているため、機能の低下が筋肉に現れ、皮膚がたるみ、垂れ下がるのです。
 そして、胃腸の機能が弱い原因としては、血の巡りが悪いことも関係しています。胃腸の働きが悪いと、摂取した食べ物から栄養をスムーズに作れないため、血は不足し臓器の働きは低下し、皮膚はたるみます。また、水の巡りが悪い水滞によっても血の巡りが悪くなるため、胃腸の働きの低下をもたらし、たるみを引き起こすことがあります。

●たるみに用いる漢方薬
 つまり、肌のたるみは全身的な健康と関わりがあります。たるみに用いる漢方薬にはいろいろとあります。
・補中益気湯
 補気薬。顔色が悪く、気力がない、食欲の低下、手足がだるいなどの症状に用います。
・十全大補湯
 気力・体力が不足、血色が悪い、皮膚が乾燥しているなどの症状がある場合に用います。内臓が丈夫になります。食欲不振がある場合は用いません。
・温経湯
 気・血をスムーズに巡らせる作用がある漢方薬。
・四君子湯
 脾胃(消化器)の低下に用いる漢方薬です。
・当帰飲子
 気・血・水の不足による乾燥した皮膚に潤いを与える漢方薬です。
・四物湯
 血を補う補気薬です。
・五苓散
 水が滞っているのを改善する漢方薬。
 ご質問の方の場合、まず、補中益気湯か十全大補湯を試すと良いでしょう。できれば、漢方専門の医院を受診して…。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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