これは以前に井口裕香が声優をしていたキャラクターにイカ娘が似ていたことに端を発する。なんていっただろうか? イン…、イングラムさん? インテルさん? インクジュエットさん? とにかく、そのインなんとかさんに似ていることで、もはやイカ娘の声は井口さんでしか想像できないという人々が急増していることが要因だ。そんな流れに乗り遅れることはなく、実は筆者も井口裕香で間違いないのではと思っている。もちろん、個人的にファンだから!! という理由ではない。考えれば考えるほど、彼女に決定しなければいけないウラ事情があるのだ。以下、解説しよう。
まず、この作品、単行本の累計発行部数的に考えて、アニメ化は異例ともいえる。上手くいけば中ヒットくらいはできるだろうが、それ以上はどうだろうか…。そんな状況だからこそ、過去にアニメ化されたどのマンガ作品より原作ファンの声が重要になってくるはず。よって、すでに支持の高い井口裕香でなければセールスにどんな悪影響を及ぼすかわからない。
さらに、製作方式は大手企画会社が関わらない製作委員会方式の可能性が高く、見えない何かの力で、キャストのゴリ押しは発生しないと考えられる。ファンを無視して大人の事情を持ち込む、なんとかっていう広告会社の影響力も少ないことは、アニメファンの意向は反映されやすいのではないだろうか。
また、仮に大人の事情が反映されるとしよう。それでも井口裕香は有利である。「チャンピオンREDいちご」連載の『セーラー服と重戦車』のドラマCDで井口裕香は主役の島田かのんの声をやっており、秋田書店との関係もバッチリなのだ。
これらを考慮すれば、もう、井口裕香がイカ娘の声優となることは、疑う余地がないのはおわかりだろう。他の誰にしたところで、制作側は自らの首を絞めることになってしまうことは明白だ。
最後に、原作の『侵略!イカ娘』のストーリーを紹介すると、海を汚す人間共を侵略しようと海からやってきたイカ娘が、10本の触手を武器にワンマンアーミーよろしく、海の家でそれなりに緩く働く、とても面白いハートフル侵略漫画である。興味を持った人はアニメ化の前に、ぜひ書店へ。 (斎藤雅道)