発端は、香川の後ろ盾だったドルトムントのクロップ監督の今季限りでの退任が決まったこと。後任には現マインツ監督のトゥヘル氏が内定しているが、同氏は就任条件にマインツのエースストライカー岡崎慎司(29)の獲得を挙げているとされ、香川は来季構想から外れた格好なのだ。
「岡崎は自己最高だった昨季の15得点に続き、今季も2ケタ得点と評価はうなぎ上りです。'12年に英マンチェスター・ユナイテッドが香川の獲得でドルトムントに支払った移籍金は19億円。岡崎の評価はそれを上回っている。英レスターが岡崎の獲得に19億円を提示したのですが、マインツはこれを拒否しました。ドルトムントが岡崎を手に入れるには、20億円超が必要ということでしょう」(大手広告代理店)
香川と岡崎がジョイントすれば日本のサッカーファンは大喜びだが、そうはいかない。これをサッカー先進国ドイツが許すはずもなく、観客動員にも響く上、選手人件費もかさむ。そこで香川放出の流れができたのだが、すかさずこれに目を付けたのが、五輪景気を見込むFC東京だという。
「スポンサー集めに長けた五輪組織委員会には、既に3000億円超の資金が集まるめどが立った。この一部を東京五輪開催都市にあるFC東京に投入すれば、香川の獲得は容易です。これで五輪サッカーを盛り上げようという大義もある。オーバーエイジ枠で香川を起用できれば十分に元が取れるという計算でしょう」(スポーツ紙デスク)
FC東京のFWで日本代表の新星、武藤嘉紀(22)の海外移籍が本格化しているのも、香川の日本復帰の布石とみられている。
日本代表ハリルホジッチ監督は「所属クラブで控えに甘んじている選手は代表には呼ばない」と語っている。エース香川に残されている選択肢は、Jリーグへの復帰しかない。