「かつて『振り向けばそこにテレ東』と嘲笑されていた局に苦しめられているんだから皮肉なものです。日テレとテレ朝はこの時期に少しでも視聴率を稼いでおきたい。フジやTBSは三冠王争いでキー局の中で最下位だけはどうしても避けたい。いずれもCM出稿に影響するからです。そんな大事な時に限って、三冠王争いから一番遠いところにいるテレ東が高視聴率を連発する。これは厳しいですよ」(民放編成マン)
テレ東はつい最近もドラマ『三匹のおっさんSP』(3月14日OA・19時58分〜22時03分)が視聴率12.6%を叩き出しキー局編成マンを驚かせたばかりだ。
「21時台の同枠でトップに躍り出たのです。フジは片岡愛之助を主演にドラマ『名探偵 神津恭介』、日テレは嵐・櫻井翔主演の映画『神様のカルテ』、TBSは『中居正広の金スマ』、テレ朝は『こんなところに日本人』など、いずれも食われてしまった。キー局関係者は“テレ東の奇跡”と悲鳴を上げています」(関係者)
実は、“奇跡”はこれだけではない。
「昨年末には『土曜スペシャル』で放送された『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』がフジの『めちゃ×2イケてるッ!』を食って話題になった。看板番組の『モヤモヤさまぁ〜ず2』も同枠でトップにならないまでも2、3位をキープしている。しかも制作費はキー局の3分の1以下」(関係者)
民放編成マンを悩ませる理由はこうだ。
「不連続でヒット番組が出てくるため、戦略が立てられない。『三匹のおっさん』などは出稿料が恐らくキー局の10分の一以下ですから、スポンサーはウハウハだったはず。『モヤモヤさまぁ〜ず2』も同枠トップなら対策を立てるが、微妙なポジションですからね」(関係者)
テレ東の躍進ぶりは、昨年4〜12月期連結決算でも証明されている。
「昨年4〜9月期の経常利益も91.5%増と民放トップの驚異的な伸び率を示した。'14年3月期連結業績額は売り上げ1205億円、純利益26億円が予想されている。3月期はスポットを中心に企業の広告出稿が増加し、退職給付債務の割引率変更に伴う人件費負担がなくなり、結果、利益が大幅に回復したためです。海外でのアニメ販売も好調で増収が見込まれています」(関係者)
奇跡が奇跡ではなくなる日は近い!?