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やくみつるの「シネマ小言主義」 「影」の意味が分かって、地団駄を踏まないで『影踏み』

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提供:週刊実話

 人気ミステリー作家、横山秀夫の作品は、『半落ち』『クライマーズ・ハイ』など、その多くが映画やテレビドラマになっています。ただ、本作は設定の難しさから映像化できず残っていた最後の一作だそう。

 なぜ映像化が困難だったのか、謎解きが醍醐味のサスペンスだけにここで明らかにできませんが、一つだけ、タイトルの「影踏み」の「影」とは何なのかが鍵です。

 横山作品らしく、ひねった伏線が張られ続けているので、「影」の意味をずっと考えながら見ることをおすすめします。そうして次第に「影」の真相が分かり、影踏みならぬ、映画館の床で地団駄を踏み鳴らさないようにしてくださいね。

 さて、主人公はシンガーソングライターの山崎まさよし演じる「ノビ師」と呼ばれる泥棒です。

 ノビ師という呼称は初めて知りましたが、空き巣とは違って、人が在宅しているのにこっそり侵入して現金を盗み出す窃盗犯との由。

 山崎まさよし特有のボソボソッとした話し方が役にハマって、味にまで高められているかというと、正直そこまでとは思えない。どうしてもミュージシャンの副業の芝居に見えてしまうんですよ。そのあたりはご本人も自覚しているようで、パンフのインタビューで「僕はプロの俳優ではない」と繰り返し語っています。

 監督も山崎まさよしをダークヒーローに見せるために、顔の半分しか照明を当てず陰影を出したり、夜のシーンを多用したりと、ノワール(犯罪もの)っぽい演出に腐心されているようでした。

 ところで、この映画は群馬県でオールロケが行われたとかで、自分はそこに反応してしまいました。

 実は、今のマイブームが「北関東」で、毎週末のように出掛けています。群馬の高崎、足利、那須烏山、埼玉県行田市、日高市と、電車を乗り継いで行くのが楽しくてしょうがない。

 北関東はもちろん首都圏ではありますが、牧歌的なところもまだまだあって、季節の祭りだったり、神社だったりをめぐるわけです。

 そしてどこへ行っても、ありがたいことに、よくお声掛けいただくんですよ。自分のような地味な存在によく気付いていただいたと、いつも驚いています。

 ただ、急にクイズを出すのはご勘弁。いつぞやも群馬の地名で「橳島」の読み方を出題されたんですが、全く分かりませんでした。

 それにしても、先日、「やくさん、漫画読んでます」って言われたんですけど、「かぼちゃとなんとか」という聞き慣れぬ作品名でした。誰と勘違いされていたのか気になります。

画像提供元:(c)2019「影踏み」製作委員会

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■影踏み
監督/篠原哲雄 出演/山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、中村ゆり、竹原ピストル、中尾明慶、藤野涼子、下條アトム、根岸季衣、大石吾朗ほか。配給/ 東京テアトル 11月15日(金)全国公開。
■深夜の民家に侵入して盗みを働く、「ノビ師」と呼ばれる泥棒の真壁修一(山崎まさよし)は、忍び込みの技術の巧みさから、警察から「ノビカベ」とあだ名されるほどの凄腕だった。そんなある日の深夜、県議会議員の自宅に忍び込むと、偶然、未遂となる放火殺人現場を目撃。この出来事をきっかけに、真壁がずっと心の底に押し込めていた20年前の事件の記憶が呼び覚まされ、運命の歯車が動き出す。

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漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。
『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)レギュラー出演中

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