3年契約の2年目を戦う巨人高橋監督は7月12日に読売新聞東京本社を訪れ、老川祥一オーナーらに前半戦の戦いを報告した。球団史上最悪の13連敗や自力優勝の消滅など、重苦しい報告となったことは想像に難くないが、この会談での取材陣の関心は一点、来季についてのお墨付きだった。
高橋監督は「今後どう戦っていくかの話し合い、意見交換をさせてもらった」と淡々と話し、老川オーナーも「長嶋茂雄監督、王貞治監督も苦しい時期はあった。一戦一戦頑張っていきましょう、と。来年どうこうとか、そういう話は出ていない」と、注目される点については共に言葉を濁した。
「巨人の最高首脳から続投について明言がなかったことで、事実上、解任が決定的になったとみていいでしょう。ただ、一縷の望みは、今後ペナント優勝を逃した巨人がCSを勝ち抜いて逆転日本一になった場合。その可能性があるから、口を濁さざるを得ないのです。それ以外は監督交代が既定路線。過去にも3年契約の2年間で結果を残せなかった原辰徳監督、堀内恒夫監督が同じ道を辿っています」(スポーツ紙デスク)
「勝てない、暗い、つまらない」との批判が多い高橋巨人の反省から、後任は明るいキャラのOB、中畑氏の起用が決定的だ。それを裏付けるように、ここに来て侍ジャパンの次期監督が日本ハムなどで活躍した稲葉篤紀氏に一本化されたと報道されたのだ。
五輪関係者によれば、実は日本プロ野球機構は次期監督に中畑氏が相応しいとの結論に達し、6月末に打診したという。ところが、今春まで「話があれば受諾する」としていた中畑氏が、これを辞退。その上で松井秀喜氏を次期監督にプッシュし、自ら交渉を買って出た。その松井氏が固辞したことで、小久保裕紀監督の下で侍ジャパンの打撃コーチを務めた稲葉氏にお鉢が回ってきたというわけだ。
侍ジャパンの最終目的は2020年東京五輪での金メダル獲得だ。それには巨額のスポンサーマネーが必要で、このままネームバリューに欠ける稲葉ジャパンが誕生するとは思えない。どこかの時点で集金力のある「ゴジラ松井ジャパン」にスイッチすると見られている。その際、松井氏が引き受けなかったら原辰徳氏、続いて日本ハムの栗山英樹監督というのが現在の侍ジャパンの監督候補の序列だ。
東京五輪の野球日本代表監督の最優力候補とされていた原氏が候補から外れたのは、人気が急落している安倍晋三首相が次期衆院選に出馬要請しているためとの情報もある。その延長線上にあるのは、東京五輪の特命大臣就任…。
かつては決して良好な関係と言えなかった原氏と中畑氏だが、今回は読売首脳に原氏が次期監督に推薦したとの情報もある。事情はどうあれ、もっけの幸い?