search
とじる
トップ > スポーツ > 次代のプロレス界を背負う未完の大器 岡田かずちかに迫る

次代のプロレス界を背負う未完の大器 岡田かずちかに迫る

 新日本プロレスの次代を担うレスラーとして期待を背負うヤングライオンがいる。2007年夏からセルリアンブルーのマットで闘いを繰り広げている岡田かずちかだ。まだ頭角こそ現してはいないが、ここのところプロレスリング・ノアとの対抗戦要員に抜擢されるなど、著しい成長を遂げている。弱冠21歳で新日のホープとされる若者は、いったいどんなレスラーなのか。闘魂三銃士から、新世代の棚橋弘至や中邑真輔に次ぐスター候補生の素顔に迫った。

 −−闘龍門から新日プロに移籍して今夏で2年になるが、振り返ってみてどうか。
 「まだ何もできてないですけど、本当に新日本プロレスに入って良かったって思ってます。闘龍門の最後のころは目標を見失っていたんですけど、新日本に来ていろんな目標ができました。新日本に入った当時は『ライバルは棚橋さんや中邑さん』『IWGPに挑戦したい』って大きなことも言ってましたけど、いまはその事の大きさを感じるようになりました。ただ、自分のモットーはポジティブに、そしてアクティブに行くことなので、ひたすら上を目指すだけです」

 −−今春は4月の両国国技館で金本浩二選手と一騎打ち、5月もノアとの対抗戦に出たり、大舞台にも抜擢された。
 「結果が全く出せず、悔しい気持ちばかりが残ってますけど、本当に良い経験になりました。特にノアとの対抗戦はアツくなりましたし、今でも(6・20大阪大会でGHCヘビー級王者・潮崎豪に)負けたことは忘れられない。自分がチャンピオンとかになって、またやれる機会ができれば、リベンジしたいッス」。

 −−今後の目標は何か。
 「近いところでいえば、夏のG1に出たい。こんな自分が言うのはG1に失礼なのかもしれないですけど。あと大きな目標は中邑(真輔)選手がIWGPヘビー級王者になったのが23歳9カ月なので、自分としてはできればそこを塗り替えたいッス。やってみなきゃわからない。いま21歳なんで、あと2年で頂点に立てるように努力します」

 −−IWGPヘビー級王者の最年少記録更新の先には、どんな将来のビジョンを持っているのか。
 「やっぱりIWGPヘビー級のチャンピオンになったら、地元の名古屋で凱旋試合をしたいッス。できればナゴヤドームでやれたら最高ッスね。自分的にはIWGPヘビー級のチャンピオンになって、ナゴヤドームの凱旋興行で防衛戦をやるのが夢なんです」

 −−もしナゴヤドームでやるなら、もちろん東海出身の現王者の棚橋弘至選手(岐阜県)や昨年のG1覇者の後藤洋央紀選手(三重県)も黙ってないと思うが。
 「棚橋選手や後藤選手に並び、“東海三銃士”と言われるくらいになって、いずれは2人も超えたいッス。東海イコール岡田、新日本イコール岡田、日本イコール岡田、それぐらいの存在になりたい。自分はそれくらい高いところを目指してます」

 −−とてつもない夢だ。
 「それだけじゃないッス。新日本プロレスを国際クラスの団体にしたい。いま世界のほとんどのレスラーがWWEにあこがれて、プロレスの頂点を目指すとか言ってアメリカに行くじゃないですか。自分的にはそういう海外のレスラーを新日本に振り向かせたい。そして彼らから『ミスターオカダとやりたいからWWEじゃなくて新日本に上がりたい』って言われるぐらいの選手になりたいッスね」

◎負けん気の強さ
 新日プロ内で一番の長身に甘いマスク、スター性とベビーフェースの条件を兼ね備えた岡田は、次代を担うことができる逸材。魅力はその負けん気の強さにある。
 数々のヤングライオンを育ててきた重鎮が新日マットで大成するレスラー観について言う。「いま良い試合って言われるのは、派手な技の応酬でファンが沸く、いわゆる技の発表会。でも結局そういう試合は残らない。いくらすごい技ができても、うちのリングでは歯を食いしばって『ナニクソッ』っていう負けん気をファンに伝えられなきゃダメなんです。でも、そういうファンから感情移入されるレスラーは少ない」
 その“闘魂”を5・6ノア日本武道館大会で岡田から垣間見た。あの“鉄人”小橋建太に物怖じひとつせずに食ってかかり、大ブーイングのなか倒れても立ち向かっていく。新日入団からわずか2年足らずのヤングライオンが、敵陣のブーイングがこだまする大舞台で、パートナーのベテラン天山広吉にひけをとらない新日戦士らしいガッツをみせたのには、未来を感じた。
 リングでの負けん気の強さやキタンのない発言とは裏腹に、一度プロレスから離れればとってもウブなレスラーだ。“恋話”をしようとも、顔を赤らめ「そういうのは全くないッス」と照れ笑いする純情ボーイ。
 その端整なルックスから女性をブイブイ言わせているかと思いきや「いまは悶々としたものをすべてプロレスにぶつけてます」とサラリと言ってのける、近代まれに見る好青年だ。

<プロフィール>
 おかだ・かずちか 本名・岡田和陸。1987年11月8日生まれ。愛知県安城市出身。身長191センチ、体重96キロ。16歳でウルティモ・ドラゴンが校長を務める闘龍門に13期生として入門し、04年8月29日(現地時間)にメキシコ・アレナ・コリセオで行われたネグロ・ナバーロ戦でデビュー。07年7月22日に獣神サンダー・ライガー&ミラノコレクションATとのタッグ結成を機に闘龍門卒業と新日入団を発表した。その後8・26後楽園ホール大会の内藤哲也戦でプレデビューを飾り、昨年4・12蓮田大会の石狩太一戦で本格デビューを果たす。好きな女性のタイプは「色黒で活発な人」「榮倉奈々みたいな人」etc…。座右の銘は「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」。

関連記事

関連画像

もっと見る


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ