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松井アスレチックス入り効果のイチロー超え

 エンゼルスからFAになっていた松井秀喜のアスレチックス入りが、日本時間の15日に発表される。憧れのピンストライプからのヤンキースから今季は球団カラーの赤ゴジラのエンゼルス、さらに来季は緑のゴジラだ。信号でいえば、赤がストップ、緑はゴーだから来季は期待できる。というのは冗談だが、緑のゴジラには「イチロー超えの松井」のセールスポイントがクローズアップされてくる。

 アスレチックスといえば、楽天・岩隈久志のポスティングシステム(入札制度)での入団交渉が決裂、ご破算になったために、日本では評判が悪い。「最初から取る気がないのに、ライバルのレンジャーズ、マリナーズに岩隈を獲得させないための妨害工作だった。だから落札金だけ15億円もの莫大な金額を提示して独占交渉権を獲得。岩隈との交渉は決裂するように、4年総額12億円と、わざと低い条件を提示してご破算にした」というわけだ。
 が、マリナーズ、レイズ、オリオールズ、ホワイトソックスなど松井争奪戦を繰り広げた球団の中から松井がアスレチックスを選択したのは賢明な判断と言える。老朽化した球場が悪評で、観客動員が30球団中29位という不人気球団だけに、日本のマスコミ、ファンを大量動員できる緑のゴジラは救世主扱いされるだろう。

 それだけではない。ヤンキース、エンゼルスという名門、常勝軍団でシビアな扱いを受けた松井だが、アスレチックスでは、松井がこだわる「4番、常時出場、守備機会」の三大要求を保証されるというから、復活の絶好のチャンスだろう。さらに大きいのは、少ない投資で業績を挙げる経営手法、ベストセラーの『マネーボール』で知られるビーン・ゼネラルマネージャーが、打率よりも出塁率を高く評価するという点だ。
 今季、エンゼルスで2割7分4厘に終わった松井だが、出塁率はなんと3割6分1厘。マリナーズ・イチローの3割5分9厘を上回る成績をあげているのだ。ヤンキース時代の7年間も通算打率は2割9分2厘で3割の大台に到達していないが、通算出塁率の方は3割7分を記録している。
 ヤンキースやエンゼルスでは全く評価されなかった出塁率だが、ビーンGMが仕切るアスレチックスでは話は一変する。「出塁率では、あのイチローよりも上の松井」という新しい金看板になる。

 巨人・松井vsオリックス・イチロー時代からマスコミはライバル扱いしてきているが、意識しているのは1年先輩のイチローの方だ。長打力を売りにする松井は安打製造器のイチローとはタイプが違うために、「イチローさんにはかないませんよ」と先輩を立てる態度を貫いている。が、イチローの方は老舗人気チームの巨人の4番、メジャーでも名門ヤンキースの4番を打っている松井に対して異様なライバル心を燃やしている。
 「入団1年目以来、優勝と無縁になっているマリナーズにいる自分と対照的に常に日の当たる道を歩き続けている松井に敵愾心があるようだ。今回、松井争奪戦の最中、マリナーズ入り浮上情報があったときに、イチローが知人を通じ、松井へラブコールを送っているという報道があった。が、これは逆の意味だろう。マリナーズへはきてほしくないという、イチローのメッセージだ。松井がきたら、マスコミの関心はイチローでなく、新参の松井に集中してしまうからね」。
 メジャーリーグを取材する日本人記者がこう明かす。松井も勝手にライバル心を燃やすイチローのいるマリナーズだけは選択肢になかっただろう。フォアザチームをモットーにする緑のゴジラは
なんの気兼ねもなく、「イチローを超える出塁率」をアピールできる。

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